経営事項審査のキャリアアップシステム(CCUS)の加点の基準や評価方法について

経営事項審査に追加されたキャリアアップシステム(以下CCUS)の項目について、経審で加点の対象になったこともあり、CCUSの導入を検討されている建設業者の方も多いのではないでしょうか? ただ加点の算式が複雑な為、導入したところで加点されるのかよくわからないという会社さんも多いようです。

院古部長

うちの会社ではすでにCCUSを導入しているのだがね、経営事項審査で加点対象になるのかどうかが、よくわからないのだよ。

尾西行政書士

院古部長の会社はCCUSを導入されているんですか、技能者の方も多く在籍されてるんですか?

院古部長

そうだね、うちの会社ではレベル3やレベル4の技能者がたくさんいるのだがね、やはり高レベルの技能者が多いと経審での点数の評価もよくなるのだろうか。

尾西行政書士

いいえ、CCUSが経審の加点評価に影響するのは「レベルの高い技能者が何人いるかではなく、レベルが1以上向上した技能者が何人いるか」です。レベルの高い技術者が多くても必ずしも高評価につながるとは限りません。

院古部長

ほう、そうなのかね。経営事項審査でのCCUSの加点基準はよくわからないものだな。どれ尾西先生、ここは1つCCUSの加点基準について説明してくれたまえよ。

尾西行政書士

わかりました。今回は経営事項審査におけるCCUSの「加点条件」について解説していきます。
なお、CCUSの基本的な概要については下記ブログにて解説してますので、概要を確認されたい方はご参照ください。

目次

キャリアアップシステムは4段階

まず前提として、CCUSはレベル1~レベル4までの4段階に分かれていることを確認しましょう。

経営事項審査においては、基準日以前過去3年間でレベルが1以上向上した技能者がいれば評価の対象になります。(例:基準日以前過去3年間でレベル1→レベル2 レベル2→レベル4など)

院古部長

技能者のレベルは1から始まって一段階ずつ順に上がっていくものなのだろうか。

尾西行政書士

いいえ、レベルについては必ずしもレベル1→レベル2と段階的にあがっていくわけではなく、技能者によってはいきなりレベル4と判定される場合もあるようです

評価の算式

経営事項審査にCCUSの評価の算式は以下のようになっています。

式でみるとなかか複雑ですね。ざっくり言うと、 基準日以前過去3年間でレベルが1以上向上した技能者が多いほど点数が上がりやすい傾向になります。

会社がCCUSに登録していない場合や、技能者のレベルが向上したのが基準日より3年より前であれば加点の対象にはなりません。

院古部長

なるほど、冒頭でも聞いたが過去3年間でのレベル向上者の人数が加点基準になるので、レベルの高い技能者が多くいても「基準日から過去3年以内にレベルの向上した者」がいなければ加点対象にはならないのだね。

尾西行政書士

その通りです。過去3年間でレベルが1以上向上した技能者が多いほど点数が上がりやすいということになるので、技能者レベルが高い人がどれだけ多くいても「レベルの向上した技能者」がいなければ加点対象になりません。

技能者が最初からレベル4登録になった場合に加点対象になるのか?

CCUSはレベル1~レベル4の段階に分かれており、基準日以前過去3年でレベルが1以上向上したものが評価の対象になりますが、例えば技能者が最初の登録の段階でいきなり最上位のレベル4と判定された場合、レベル4の技能者は評価の対象にならないのでしょうか?

最初からかレベル4と判定された技能者も評価の対象になります。なぜなら、「認定能力基準による評価を受けていない場合は、レベル1として審査する」という規定があるからです。

この規定により、いきなりレベル4で登録した技能者も「レベル1→レベル4」にレベルが向上したみなされ、審査基準日過去3年までは評価の対象になります。

これはレベル2から登録したときも同様で「レベル1→レベル2」になったということで評価対象なります。点数としてはレベル1→レベル2の技能者であってもも、レベル1→レベル4あっても変わりありません。

院古部長

ほう、技能者が初めから最大レベルのレベル4でスタートしてしまうと点数に反映しないのではないかと危惧していたが、レベル4からスタートした場合でもちゃんと点数に反映するのだな。

尾西行政書士

そうです、最初からレベル4登録になった場合でも審査基準日から過去3年までは加点対象になります。

レベル3、レベル4の技能者は技術職員として評価される

経審の採点でレベル1→レベル2の技能者であっても、レベル1→レベル4あっても変わりないということであれば、最初に低いレベルで登録されて徐々に数年かけてレベルがあがっていくほうが、長い期間評価されて得ではないか?と考える方もいるかもしれませんが、早い段階でレベルがあがった方にもメリットがあります。

それはレベル3、レベル4の方については国家資格や実務経験等がなくても、技術職員として評価するという改正があったことです。レベル3、レベル4になった方については技術職員として加点のメリットがあります。
(点数はレベル3が2点加点、レベル4が3点加点になっている為、1点加点の実務経験よりは配点は高くなっています)

院古部長

「基準日以前過去3年間でレベルが1以上向上した技能者」が加点対象と聞いたので、レベルは1段階ずつ上がっていった方が得ではないかと思ったが、早くレベル3以上になればそれだけ早く技術職員としても加点評価されるということか。

尾西行政書士

その通りですね。レベルが早く上がればそれなりの利点もあるというわけです。

最後に

尾西行政書士

当事務所でも経営事項審査申請の代行申請を承っていますので、お困りの際はご相談ください。

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この記事を書いた人

平成28年開業。
大阪市中央区の行政書士事務所です。
建設業許可等の申請代行を中心に取り扱っております。

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