建設業許可申請については、法律や書類などが複雑なので行政書士に依頼されたいという建設業者さんも多くいると思います。
そうですね、新規申請や更新申請や変更届など、届出も多く大変なので行政書士に依頼するメリットは多くあると思いますよ
あら、じゃあ行政書士さんにお願いした場合にどんなメリットがあるのか教えてくださらない、尾西先生
わかりました、今回は建設業許可を行政書士に依頼する場合のメリットやデメリット、報酬相場についても解説したいと思います。
目次
建設業許可を行政書士に依頼するメリットやデメリットとは
建設業許可を行政書士に依頼したメリットについてですが、下記のようなメリットが考えられます。
〈建設業許可を行政書士に依頼するメリット〉
1.効率的かつ正確な申請ができる
行政書士は法律や行政手続きに関する専門知識を持っており、許認可の申請手続きに精通しています。専門家に任せることで効率的かつ正確な申請を行うことができます。
2.時間と労力の節約
行政書士に許認可の申請を任せることで、手続きに関連する煩雑な書類の作成や収集、関係法律の確認などを行う作業を省略できます。よって時間と労力を他の重要な業務や活動に注ぐことができます。
3.ミスの回避
許認可の申請手続きは細かい書類作成や要件の満たし方に厳密さが求められます。行政書士に依頼することで、申請書類や手続きが正確かつスムーズに行えます。これにより手続きの遅延や申請却下のリスクを抑えることができます。
4.タイムリーな情報提供
法律や規則は年月と共に改正されていきますが、行政書士は最新の法律や規制の変更に常に注意を払っています。重要な情報を提供し、許認可に関連する最新の動向や要件の変更について柔軟に対応します。これにより依頼者は常に最新の情報に基づいて意思決定をすることができます。
逆に建設業許可を行政書士に依頼した場合のデメリットは以下のようなものが考えられます。
〈建設業許可を行政書士に依頼するデメリット〉
1.お金がかかる
行政書士に依頼するには一定の報酬料金がかります。行政書士の報酬料金は、経験や専門知識、申請の複雑さなどに基づいて決まります。他方で、自身で申請を行う場合には行政庁への手数料などの直接的な費用のみで済みます。行政書士に依頼する場合は、どれくらいの報酬費用がかかるか等を事前に相談し確認をとることが重要です。
2.個人情報提供の必要性
行政書士に申請を依頼する場合、依頼者は住所や生年月日など個人的な情報や身分証明に関する書類を提供する必要があります。専門家であれば与えられた情報を適切に扱うことはもちろんですが、個人情報の提供に抵抗がある方にはデメリットになりえます。
3.人選ミスのリスク
建設業許可の分野に関する専門知識を持っていない行政書士に依頼してしまった場合、申請において重要な要素を見落とす可能性があります。これにより、申請が不備になったり申請に遅延が生じるリスクがあります。
4.人的リソースによる制約
行政書士によってはスケジュールを詰め込みすぎている場合があり、そういった場合は依頼にスムーズに対応することができない可能性があります。特に需要が高い時期や複数のクライアントを抱えている場合、申請の進行や対応に遅延が生じる可能性があります。
時間や労力を節約できるのはいいけど、お金の問題やどの行政書士に依頼するかの問題などがあるのね
行政書士に依頼する場合は、メリットとデメリットを比較して慎重に検討しましょう
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行政書士の報酬の相場について
建設業許可の行政書士の報酬の相場についてですが、個人か法人か、一般許可か特定許可、知事許可か大臣許可などで金額が異なってきますので、ひとまとめにして相場を言うのは難しいのですが、以下に概ねの相場料金をまとめています。
〈行政書士の報酬相場〉
建設業許可の新規申請… 知事許可は10万〜17万程度 大臣許可は12万〜22万程度
建設業許可の更新申請… 知事許可は6万〜15万程度 大臣許可は10万〜20万程度
建設業許可の決算変更… 知事許可は3万〜6万程度 大臣許可は4万〜9万程度
※あくまで概ねの目安です
へえ、報酬料金も事務所によって結構ばらつきがあるのね
報酬料金について確認したい場合は、事前に見積書の提示などをお願いするといいと思います
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役所への費用(証紙代、印紙代、手数料等)について
建設業許可の新規申請や更新申請を行う場合は、役所への費用が一定かかります。費用は申請の種類によっても異なってきますので、事前にどれくらい費用がかかるのか確認しておくのがいいと思います。
なお、役所への費用と行政書士の報酬は別の料金になります。自身で申請する場合は役所への費用のみとなりますが、行政書士に依頼する場合は役所への費用+行政書士の報酬がかかりますので注意しましょう。
各申請の手数料等については、申請前に必ず確認しておきましょう
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まとめ
<まとめ>
・行政書士に建設業許可申請の依頼をする場合は、時間や労力を節約できるがお金がかかったり、どの行政書士に依頼するかの問題などがある
・行政書士の報酬相場はばらつきがあるので、事前に見積書を依頼するのがオススメ
・役所への費用も必要になる。行政書士の報酬とは別の費用なので注意が必要