経営業務管理者の経営経験、役員経験年数が5年に満たない場合の対処方法について

建設業の経営経験や役員経験が5年以上ある場合には経営業務管理責任者にはなることが可能ですが、経営業務管理責任者を交代する際に5年以上の経営経験をお持ちの方がいらっしゃらずにお困りの会社さんをみかけることがあります。

院古部長

うちの会社も今の経営業務管理責任者が来年退職するので、どうしようかと悩んでいるのだよ、尾西先生

尾西行政書士

退職されるのでしたら、別の方に交代して変更届をださないといけないですね

院古部長

そうなのだがね、うちの会社で役員経験が5年以上の者が他にいないのだよ、何かいい方法はないものかな?

尾西行政書士

わかりました、今回は経営業務管理責任者の経験経験、役員経験年数が5年に満たない場合の対処方法についてお話ししていきます

目次

経営業務管理責任者の要件

建設業の経営経験がある場合、役員や執行役員等としての経験経験が5年以上あれば、1人で経営業務管理責任者になることが可能です。

もし経営経験が5年未満の場合は他の要件(準ずる地位の経験など)で経営業務管理責任者の要件を満たさなくてはなりません。

※準ずる地位の経験等は7年以上から現在6年以上に改正されています。

院古部長

なるほど、役員経験が5年未満でも一定の経験があれば、経営業務管理責任者にはなれるわけだね

尾西行政書士

次の項目からはそれぞれの要件について解説していきます。

補佐経験(準ずる地位の経験)がないか

経営経験がない場合でも6年以上の補佐経験があれば、経営業務管理責任者になることが可能です。補佐経験とは役員等や個人事業主に次ぐ地位で従事した経験をいいます。

〈補佐経験とは〉
経営業務を補佐した経験とは、許可を受けようとする建設業に関する建設工事の施工に必要とされる資金の達、技術者及び技能者の配置、下請業者との契約の締結等の経営業務全般について従事した経験をいう。 例:部長などの管理職や個人事業主の配偶者や子供など

院古部長

私も建設業関連の部署で部長職として6年以上働いているので条件を満たせるかもしれないな

尾西行政書士

そうですね、院古部長も条件を満たせそうですね

執行役員等の経験がないか

執行役員等の経験が6年以上ある場合でも経営業務管理責任者になることが可能です。執行役員等とは経営業務を執行する権限の委任を受けた方のことを言います。

〈執行役員等の経験とは〉
取締役会設置会社において、取締役会の決議により特定の事業部門に関して業務執行権限の委譲を受ける者として選任され、かつ、取締役会によって定められた業務執行方針に従って、代表取締役の指揮及び命令のもとに、具体的な業務執行に専念した経験をいう。

院古部長

そういえばうちの会社にも執行役員がいたな

尾西行政書士

建設業に関わりのある執行役等の経験が6年以上あれば、経営業務管理責任者になることは可能です

常勤役員+常勤役員を直接に補佐する者の二人で条件を満たす

以前は建設業に関し5年以上の経営または、補佐(役員に準ずる地位)の経験6年が必須となっていました。しかし、もし常勤役員の方にこれらの経営経験がなくとも、「常勤役員を直接に補佐する者」がいれば、経営業務管理責任者なれるというルールが追加されました。

 常勤役員(建設業経験5年未満) +  常勤役員を直接に補佐する者  
 <常勤役員の建設業経験が5年未満でも補佐する者がいれば経営業務の管理責任者になることができるようになった>

院古部長

ふむ、常勤役員(経営業務管理責任者)に従来の建設業での経営経験が足りない場合に「補佐する者」を置くということだね

尾西行政書士

そうです、この規定に関しては中々ややこしいので、下記ブログで詳しく解説しています

他社から出向してもらえる人がいないか

自社で経営業務管理責任者になることができる方がいない場合は他社(グループ会社など)から出向してもらい、経営業務管理責任者になってもらうことは可能です。なお経営業務管理責任者には常勤性が必要とされるので、出向される場合も常勤性の証明は必要になります。

出向者でも経営業務管理責任者になることは可能
※ただし常勤性を証明する必要がある

〈常勤性の確認書類〉
・健康保険証の写し
・出向協定書の写し
・出向辞令の写し など

院古部長

なるほど、他の会社から出向してもらうという手段もあったか

尾西行政書士

そういった方法もあることを覚えておくといいと思います

経営業務の経験者を新たに迎いれできないか

どうしても周りに経営業務管理者になれる人がいないという場合は、経験者の方を新たに迎え入れるという方法もあります。建設業の会社での経営業務経験を持つ方を見つけるのは難しいですが、そういった方を紹介頂ける人材紹介派遣会社もあります。

要件にあった方が見つかるとは限りませんが、当事務所でもお困りのときは人材紹介会社を紹介し、経営業務管理責任者を探していただくお手伝いをさせていただくことも場合によっては可能です。

経営業務管理者になれる方が見つからない場合は、経験者の雇用を検討してみる

院古部長

新たに人を雇うといのも1つの方法なのだね

尾西行政書士

選択肢として考慮しておくといいと思います

まとめ

〈まとめ〉
・6年以上の補佐経験があれば、経営業務管理責任者になることが可能
・執行役員等の経験が6年以上ある場合でも経営業務管理責任者になることが可能
・常勤役員の方に経営経験がなくとも常勤役員を直接に補佐する者がいれば、経営業務管理責任者なれる
・自社で経営業務管理責任者になることができる方がいない場合は他社(グループ会社など)から出向してもらい、経営業務管理責任者になってもらうことは可能。
・周りに経営業務管理者になれる人がいないという場合は、経験者の方を新たに迎え入れるという方法もある

尾西行政書士

当事務所でも経営業務管理責任者の変更届を承っております


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この記事を書いた人

平成28年開業。
大阪市中央区の行政書士事務所です。
建設業許可等の申請代行を中心に取り扱っております。

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