建設業の実務経験について、要件や計算の仕方、緩和条件等を解説

建設業許可の専任技術者や主任技術者になるには、一定の資格や実務経験が必要になります。

資格については試験を受けて取得するものになりますが、実務経験とはどういうものでしょうか?

今回は実務経験の要件や計算の仕方、緩和条件などを解説していきたいと思います。

目次

実務経験とは

建設業許可の専任技術者や主任技術者になるには、一定の資格や実務経験が必要になります。実務経験とは建設工事の施工に関する技術上のすべての職務経験のことをいいます。

建設工事の発注に当たって設計技術者として設計に従事したり、現場監督技術者として監督に従事した経験、土工及びその見習いに従事した経験なども含めることができます。

ただし単なる建設工事の雑務の経験や、庶務経理事務の経験などは実務経験含めることはできません。

実務経験で専任技術者になるときは、どのような経験を積んでいるかを聞かれてもしっかり答えることができるようにしておきましょう。

実務経験の計算の仕方

専任技術者になるための実務の経験の期間は、具体的に実務に携わった期間を積み上げて計算します。 複数の業種を重複して計算することはできません。

例えば10年の実務経験で専任技術者になる場合、2業種の専任技術者になるためには1業種ごとに10年の実務経験が必要になるので2業種で最低20年の実務経験が必要です(2業種の経験割合が均等の場合)。

なお、実務経験は原則10年必要となっていますが、大卒、高卒、専門卒などで指定学科の学歴がある場合は経験期間の短縮が可能となっています。

また例外として、業種の組み合わせによっては必要年数が緩和される場合があります。

実務経験の緩和

10年以上の実務経験が必要な場合で、経験が10年満たない場合でも申請する業種の実務経験が8年以上あって、かつ、振り替えることができる業種とあわせて12年以上の実務経験があれば、申請する業種の専任技術者になることができうという緩和措置があります。

簡単に言うと、申請する業種の実務経験に別の業種の実務経験を振替(加算)することができるのです。

ただしどんな工事の実務経験でも振替できるわけではなく、振替できるケースは限られます。前提として振替できるケースの次の2つです。

①一式工事から専門工事への実務経験の振替
②専門工事間で実務経験の振替

①一式工事から専門工事への実務経験の振替の場合

<土木一式 ⇒ とび・土工、しゅんせつ、水道施設、解体>
土木一式工事の実務経験を専門工事(とび・土工、しゅんせつ、水道施設、解体)のどれかに振り替えることができます。【例:とび・土工工事8年+土木一式工事4年=計12年でOK】

<建築一式 ⇒ 大工、屋根、内装仕上、ガラス、防水、熱絶縁、解体>
※建築一式工事の実務経験を専門工事(大工、屋根、内装仕上、ガラス、防水、熱絶縁、解体)のどれかに実務経験に振り替えることができます。【例:屋根工事8年+建築一式工事4年=計12年でOK】

②専門工事間で実務経験の振替の場合

<大工 ⇒ 内装仕上>
※専門工事(大工)の実務経験を専門工事(内装仕上)に実務経験を振り替えることができます。
【例:内装仕上工事8年+大工工事4年=計12年でOK】

<内装仕上 ⇒ 大工>
※専門工事(内装仕上)の実務経験を専門工事(大工)に実務経験を振り替えることができます。
【例:大工工事8年+内装仕上工事4年=計12年でOK】

<とび・土工 ⇒ 解体>
※専門工事(とび・土工)の実務経験を専門工事(解体)に実務経験を振り替えることができます。

解体工事をとび・土工に振り替えることはできません。また平成28年6月1日以降のとび・土工の経験は解体工事に振り替えることはできません

指定建設業7業種は特定許可では実務経験で専任技術者にはなれない

建設業許可には「指定建設業7業種」という業種の中でも特に指定されている業種が7つあります。

指定建設業7業種
・土木工事業
・建築工事業
・電気工事業
・管工事業
・鋼構造物工事業
・舗装工事業
・造園工事業

これらの業種は他の業種に比べて総合的な施工技術を必要とする事や社会的責任が大きい事などから、特定建設業の許可を受けようとする際の専任技術者は、一級の国家資格者、技術士の資格者又は国土交通大臣が認定した方に限られます。

よって、特定建設業の指定7業種については実務経験では専任技術者になれないので注意が必要です。

一般許可であれば指定7業種であっても実務経験で専任技術者になって頂くことは可能です。

機械器具設置工事や清掃施設工事などでは実務経験が必須な場合もある

機械器具工事や清掃施設工事などで資格で専任技術者になる場合、建設業法の国家資格では対象の資格がなく、技術士法の資格で専任技術者になれますが技術士法の資格は合格率が低く、なかなかハードルの高い資格です。

ですので実情は実務経験で専任技術者になって頂く方が多いのですが、機械器具や清掃施設の工事は工事金額が大きくなりやすく建設業許可のある会社でないと実務経験が積みにくいです。

機械器具や清掃施設の業種で実務経験がとれず、専任技術者がいない、交代ができないなどで困ったというお話を何度か伺ったことがあります。

機械器具や清掃施設での実務経験は貴重なものになるので、許可をお持ちの会社は実務経験をしっかり積上げておきましょう。

専任技術者もいずれ交代するときがくるので、交代するときに備えておく必要があります

最後に

今回は建設業許可の実務経験について解説してきましたが、いかかでしたでしょうか?

実務経験は専任技術者や主任技術者になるために大事な要件になるので、しっかり押さえておきましょう。

なお、当事務所でも専任技術者の変更届や許可の更新申請の代行を承っております。お困りの際は当事務所までお問合せください。

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この記事を書いた人

平成28年開業。
大阪市中央区の行政書士事務所です。
建設業許可等の申請代行を中心に取り扱っております。

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