建設業許可の配置技術者とは、要件や兼任の可否について

建設業許可では金額に関わらず工事ごとに配置技術者(主任技術者や監理技術者)が必要になります。

れと川さん

尾西先生、配置技術者って工事ごとに必ず配置する必要があるんですか?

尾西行政書士

建設業許可を受けている会社であれば、工事の金額に関わらず工事ごとに必ず配置する必要があります

れと川さん

配置技術者の要件などがあまりわからないので詳しく教えてもらえませんか?

尾西行政書士

わかりました、今回は配置技術者の要件や兼任の可否などについて解説します

目次

配置技術者とは

建設業許可の配置技術者は、建設業法に基づいて、建設工事の監理、指導、助言などを行う技術者です。建設業法において、一定規模以上の建設工事には建設業許可が必要とされており、建設業許可を受けるためには配置技術者を設置することが求められています。

配置技術者は、建設工事の品質や進行管理、安全管理などを担当し、建設業者の代表者や現場監督と共に、工事の適正な進行を確保するために協力します。また、地盤調査や施工計画の策定、図面の検討など、工事の計画段階から関わり、施工後のメンテナンス計画の策定や修繕工事の指導なども行います。

配置技術者には、建築や土木工学などの専門分野に関する知識や技術が求められます。また、コミュニケーション能力やチームワークをはじめとする人間力も重要であるとされています。

また配置技術者には、主任技術者と監理技術者の2種類があります。下請け契約が4,500万円未満(建築一式工事は7,000万円未満)の工事については主任技術者が配置されますが、下請け契約が4,500万円以上(建築一式工事は7,000万円以上)の工事については監理技術者の配置が必要になります。

れと川さん

配置技術者は主任技術者と監理技術者の2つがあるんですね

尾西行政書士

そうですね、覚えておきましょう

配置技術者の要件

配置技術者の要件ですが、主任技術者については一般建設業許可の専任技術者と同じで、国家資格や一定の実務経験が必要になります。一般建設業許可の専任技術者の要件は下記のものになります。


監理技術者については特定建設業許可の専任技術者と同じで、国家資格または、一定の実務経験+2年以上の指導監督的実務経験などが必要になります。特定建設業許可の専任技術者の要件は下記のものになります。

配置技術者の要件〉
主任技術者・・・ 一般建設業許可の専任技術者の要件と同じ
監理技術者・・・ 特定建設業許可の専任技術者の要件と同じ

れと川さん

監理技術者の方が要件が難しそうですね

尾西行政書士

そうですね、ちなみに指定7業種(土木、建築、電気、管、鋼構造物、舗装、造園)については、国家資格の1級資格や、技術士法の合格者等であることが条件となっており、国家資格の2級資格者や実務経験者では専任技術者や監理技術者にはなれません。

配置技術者の兼任について

4000万円(建築一式工事の場合は8000万円)を超える請負代金の工事については、主任技術者又は監理技術者(配置技術者)の専任を要する工事とされています。

〈専任の配置技術者を必要とする工事金額〉
主任技術者又は監理技術者の専任を要する請負代金額の下限は4000万円

(建築一式工事の場合は8000万円)

つまり、4000万円を超える工事については、専任の配置技術者が必要となり、その配置技術者は他の工事の配置技術者には原則なれないということになります。

しかし4,000万円を超える工事であっても、主任技術者については例外として公共性のある重要な建設工事のうち密接な関係のある2以上の建設工事を同一の建設業者が同一の場所又は近接した場所において施工する場合は、同一の専任の主任技術者がこれらの建設工事を管理することができます。※この規定は監理技術者には適用されません。

監理技術者が兼任できる場合としては、技士補を専任の技術者として置くことで監理技術者が2つの工事現場を兼任できることがあります。

れと川さん

監理技術者も技士補がいれば、他の現場と兼任できる場合があるんですね

尾西行政書士

その通りです、なお、技士補については下記ブログにて詳しく解説しています

専任技術者が配置技術者になれるか?

原則、専任技術者は主任技術者にも専任技術者にもなることはできません。しかし例外として、以下の1〜3の要件を満たす場合であれば専任技術者になることが認められます。

〈下記1〜3の要件を満たせば専任技術者と配置技術者の兼任が許される〉
(1)当該営業所で契約締結した建設工事であること
(2)工事現場の職務に従事しながら実質的に営業所の職務にも従事しうる程度に工事現場と営業所が近接していること
(3)当該営業所と常時連絡が取れる状態にある
こと

なお、専任を要求される工事(4000万円(建築一式工事の場合は8000万円)を超える請負代金の工事)については、上記3つの要件を満たした場合でも専任技術者と主任技術者の兼務はできませんので注意しましょう。

れと川さん

例外的に専任技術者と配置技術者を兼務できる場合があるんですね

尾西行政書士

比較的事業規模の小さい1人親方の事業者さんなどは、上記の例で兼任されている場合があるようです

まとめ

〈まとめ〉
・建設業許可の配置技術者は、建設業法に基づき建設工事の監理、指導、助言などを行う技術者
・主任技術者の要件は一般建設業許可の専任技術者の要件と同じ
・監理技術者の要件は特定建設業許可の専任技術者の要件と同じ
・配置技術者は工事を兼任できる場合がある
・専任技術者でも例外的に配置技術者になれることがある

尾西行政書士

当事務所でも建設業許可の申請を承っております

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この記事を書いた人

平成28年開業。
大阪市中央区の行政書士事務所です。
建設業許可等の申請代行を中心に取り扱っております。

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