「主任技術者」とは、要件や専任の条件、配置義務の見直しなどについて

主任技術者は一定の工事に配置義務が課される技術者となります。主任技術者には要件が決まっており、また専任性が必要になる場合などもありますが、昨今、一定の要件を満たせば下請の主任技術者の配置義務が不要となる場合もあります。

宇佐山さん

尾西先生、主任技術者って工事には必ず必要なんですか?

尾西行政書士

原則、工事現場ごとに配置技術者(主任技術者か監理技術者)を置くことが義務付けられています 

尾西行政書士

ですが、令和2年に配置義務が緩和され、一定の要件を満たせば下請の主任技術者については、配置しなくてもいいケースもあります

宇佐山さん

では、そのあたりを詳しく解説してもらえますか?

尾西行政書士

わかりました、今回は主任技術について、専任性や緩和要件など、深く掘り下げて解説したいとおもいます

目次

主任技術者とは、工事現場に配置される者について

工事現場に配置される者として、「主任技術者」「監理技術者」「現場代理人」の3つがあります。

主任技術者〉
・元請工事で下請業者への発注額が4,500万円未満(建築一式工事7,000万円未満)の工事現場に配置が必要
・工事の管理や指導監督が主な仕事内容
・法律上の配置義務あり

監理技術者〉
・元請工事で下請業者への発注額が4,500万円以上(建築一式工事7,000万円以上)の工事現場に配置が必要
・工事の管理や指導監督が主な仕事内容
・法律上の配置義務あり

現場代理人〉
・公共工事や比較的規模の大きい工事の場合に配置される
・工事の管理や工事請負金額の変更、請求、交渉などや施工に関わる多くの事柄に対応する仕事内容
・法律上の配置義務なし

主任技術者は、下請業者への発注額が4,500万円未満の工事に配置が必要となる技術者です。

宇佐山さん

へえ、工事現場に配置される人にも色々種類があるんですね

尾西行政書士

その中でも今回は主任技術者にスポットをあてて解説しますね

主任技術者の要件

主任技術者の要件についてですが、一般建設業許可の専任技術者と同じく工事の実務経験や、工事に対応した資格などが必要になります。

<主任技術者の要件>
1.工事の実務経験が10年以上あること(指定学科を修了している場合は年数の短縮が可能)または、工事に対応した国家資格等を取得していること

2.直接的かつ恒常的な雇用関係が必要(正社員であること、出向社員は不可)

また主任技術者の要件として、主任技術者と建設会社は直接的かつ恒常的な雇用関係が必要とされます。日雇いの非雇用者やアルバイト、他社からの出向社員では主任技術者にはなれませんので注意が必要です。

宇佐山さん

専任技術者は出向社員でもなれるのに、主任技術者は出向社員ではなれないんですね

尾西行政書士

主任技術者や監理技術者などの配置技術者は出向社員ではなれないので注意が必要ですね

主任技術者に専任性が求められる場合、非専任性との違い

4000万円(建築一式工事の場合は8000万円)を超える請負代金の工事については、主任技術者の専任性が必要とされ、その主任技術者は他の工事の主任技術者には原則なれないということになります。

逆に4000万円未満の工事の主任技術者は「非専任性」が認められるので、複数の工事現場で主任技術者になれるということになります。

〈主任技術者に専任性が求められる工事〉
4000万円(建築一式工事の場合は8000万円)を超える請負代金の工事

ただし例外として、4,000万円を超える工事であっても公共性のある重要な建設工事のうち密接な関係のある2以上の建設工事を同一の建設業者が同一の場所又は近接した場所において施工する場合は、同一の専任の主任技術者がこれらの建設工事を管理することができます。
※この規定は監理技術者には適用されません。

〈主任技術者の専任性の例外〉
公共性のある重要な建設工事のうち密接な関係のある2以上の建設工事を同一の建設業者が同一の場所又は近接した場所(10㎞程度以内)において施工する場合は、これらの工事の主任技術者を兼任することができる

宇佐山さん

専任性が求められる工事でも、例外的に2つ以上の工事の主任技術者を兼任できることがあるのですね

尾西行政書士

ケースとしては少ないですが、例外的に兼任できるケースもあると覚えておくといいと思います

経営業務管理責任者が主任技術者になれるか?

経営業務管理責任者が主任技術者になれるかどうかについてですが、専任が必要な工事(請負額4,000万円以上、建築一式は8,000万以上)でなければ、経営業務管理責任者も主任技術者になれるとされています。(国交省に確認)

専任が必要な工事でなければ、経営業務管理責任者も主任技術者になれる

宇佐山さん

経営業務管理責任者も主任技術になることは可能なんですね

尾西行政書士

専任が必要な工事では、経管は主任技術者になれないので、気をつけましょう

主任技術者の配置義務の緩和

主任技術者の配置義務が緩和されました。「特定専門工事」において、下請業者については主任技術者の配置が不要となる場合があります。(元請業者には主任技術者の配置が必要)

特定専門とは下記の内容を満たす工事になります。

<特定専門工事の定義>
土木一式工事又は建築一式工事以外の建設工事のうち、その施工 技術が画一的であり、かつ、その施工の技術上の管理の効率化を図る必要がある工事
(現状では特定専門工事は下請契約の請負金額が4000万円未満の「鉄筋工事」と「型枠工事」で
あると政令で定められています)

特定専門工事において、主任技術者が緩和される要件は下記のようになります。

〈主任技術者の配置義務緩和の要件〉
1.元請人と下請人の間で、特定専門工事の内容等について書面での合意があること。
2.元請負人があらかじめ、注文者の承諾を得ていること。
3.元請負人が置く主任技術者が、下記①及び②の要件を満たすこと
①当該特定専門工事と同一の種類の建設工事に関し一年以上指導監督的な実務の経験を有する。
②当該特定専門工事の工事現場に専任で置かれること。
4.再下請負の禁止。(下請負人は当該特定専門工事を他人に請け負わせてはならない)
 ※制度を利用していない場合は再下請負可能

宇佐山さん

一定の要件を満たせば、下請は主任技術者を置かずに工事に入れることもあるんですね

尾西行政書士

ただし、元請については配置技術者は必ず必要になるので気をつけましょう

まとめ

〈まとめ〉
・主任技術者は元請工事で下請業者への発注額が4,500万円未満(建築一式工事7,000万円未満)の工事現場に配置が必要
・主任技術者の要件は一般建設業許可の専任技術者と同じ
・4000万円(建築一式工事の場合は8000万円)を超える請負代金の工事については、主任技術者の専任性が必要とされ、その主任技術者は他の工事の主任技術者には原則なれない
・例外として、4,000万円を超える工事であっても公共性のある重要な建設工事のうち密接な関係のある2以上の建設工事を同一の建設業者が同一の場所又は近接した場所において施工する場合は、同一の専任の主任技術者がこれらの建設工事を管理することができる
・特定専門工事」において、下請業者については主任技術者の配置が不要となる場合がある

尾西行政書士

当事務所でも建設業許可の申請を承っています

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この記事を書いた人

平成28年開業。
大阪市中央区の行政書士事務所です。
建設業許可等の申請代行を中心に取り扱っております。

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