建設業許可では決算変更届を提出する際に、「工事経歴書」の作成が必要になりますが、工事経歴書については、経営事項審査を受ける場合と、受けない場合で記入の仕方が異なったりします。
工事経歴書って書き方が結構ややこしんだよなぁ
経営事項審査を受審する場合は、記入方法が細かく決められていますからね
そのあたりの工事経歴書の詳しい書き方について教えてくれよ、尾西先生
わかりました、今回は工事経歴書の書き方について解説します
工事経歴書のひな形のダウンロードについて
工事経歴書のひな形については、各都道府県のホームページ等でダウンロードできますが、当ページの下記からもダウンロードできます
エクセルの工事経歴書はこちら
PDFの工事経歴書はこちら
ひな形があるんだな、実際の書き方についてはどうすればいいんだ?
工事経歴書の作り方は、経営事項審査を受審するかどうかで変わりますので、それぞれのパターンを次の段落以降で説明します
経審を受ける場合の工事経歴書の書き方
経審を受ける場合の工事経歴書の書き方についてですが、作成する際には記載方法が細かく決められており、作成の方法については下記のようになります。
<工事経歴書の作成の方法(経審ありの場合)>
1.元請工事の請負代金の7割を超えるところまで記載する
2.元請が7割を超えたら、残りの元請と下請の工事中で請負金額が大きい順に工事の全体の7割を超えるまで記載する
3.主な未成工事について、金額の大きい順に記載する
※注意
・軽微な工事(500万円未満の工事(一式工事は1500万円))については10件まで記載すればOK
・請負代金の合計が1000億円を超える部分は記載不要
・元請の7割を記載した時点で、そこで全体の7割を超えていればOK
・未成工事とは、決算期内に完成していない工事のこと
下記に工事経歴書の記入例を記載しています
【記入例】
経審を受ける場合の工事経歴書の作成は少し難しいですが、下記の記載フローに従って書いていけば、比較的わかりやすいと思います
結構ややこしいんだな…
記載の仕方を間違えてしまうと書き直しにすることになってしまうので、しっかり理解しておきましょう
経審を受けない場合の工事経歴書の書き方
経審を受けない場合の工事経歴書の書き方については、経審を受ける時ほど細かくはありません。作成の方法は下記のようになります。
<工事経歴書の作成の方法(経審なしの場合)>
1.決算期内の完成工事を元請下請関係なく、請負金額の大きい順に記載
2.主な未成工事について、請負金額の大きい順に記載
※注意
・件数については、10件程度あれば良いとされているが、都道府県によっては3件程度記載すればいい場合や、全体の7割までの記載を求めるところもあるので確認要
・税抜き、税込みはどちらでもOKだが、財務諸表や直3とあわせる
・元請下請はバラバラに記載しても可
・未成工事とは、決算期内に完成していない工事のこと
下記に工事経歴書の記入例を記載しています
【記入例】
主な工事を10件程度書いておけばいいんだな
都道府県によって、記載ルールが違う場合もあるので気をつけましょう
配置技術者の記入について
工事経歴書には工事ごとに配置技術者(主任技術者または監理技術者)の記載が必要です。
下請け契約が4,500万円未満(建築一式工事は7,000万円未満)の工事については主任技術者が配置されますが、下請け契約が4,500万円以上(建築一式工事は7,000万円以上)の工事については監理技術者の配置が必要になります。
また配置技術者の重複配置については認められていますが、専任性を必要とされる工事では、その工事の期間は他の工事の配置技術者にはなれないことになっています。
確か専任技術者は配置技術者になれないんだよな
原則はそうですが、近場の工事などでは例外的に配置技術者になれるケースもありますよ
配置技術者については下記ブログで詳しく解説しています
まとめ
<まとめ>
・工事経歴書については、経審を受ける場合と受けない場合で記載方法が異なる
・経審を受ける場合は規定された記載方法に沿って工事経歴書を作成する
・経審を受けない場合は、工事経歴書は代表的な工事を10件程度記載する
・工事経歴書には工事ごとに配置技術者(主任技術者または監理技術者)の記載が必要
当事務所では決算変更届など、建設業許可に関する代理申請を承っております