尾西先生、「令3条使用人」って何のことかしら?
令3条使用人は建設業の営業所の「支店長」や「営業所長」を指す言葉になります
あら、そうなの、じゃあ詳しく教えてくださらない?
今回は令3条使用人について、要件などについて詳しく解説していきます。
令3条使用人の要件とは
令3条使用人とは、建設業法施行令第3条に基づく「支店長」や「営業所長」のような役職者を指します。具体的には、会社の本店や支店、営業所などにおいて、その拠点で業務の統括や指導を行う責任者のことです。
令3条使用人の要件は下記のようになります。
令3条使用人になるにも条件がいろいろあるのね
欠格要件に該当していないかについても注意しましょう
令3条使用人は専任技術者と兼務できるか
令3条使用人と専任技術者は兼任することができます。ただし兼任する場合は、令3条使用人として配属される場所と専任技術者として配属される場所が同じでなくてはなりません。
<令3条使用人と専任技術者は兼任することができる>
※だだし兼任する場合は、同じ支店でないと不可
例えば、東京支店の令3条使用人が同じく東京支店の専任技術者を兼任することは可能ですが、東京支店の令3条使用人が、別の大阪支店の専任技術者を兼任するということは不可能です。
専任技術者と兼任することも可能なのね
専任技術者と兼任する場合は同じ営業所でないと兼任できないので気をつけましょう
令3条使用人は主任技術者と兼務できるか
令3条使用人は主任技術者と兼任することも可能です。
ただし令3条使用人は原則、工事の主任技術者になる場合は、その工事現場と令3条使用人としての営業所が近隣にある必要があります。
また工事の金額が4,000万円を超える場合は、主任技術者に専任性が必要になるので、令3使用人が4,000万円を超える工事の主任技術者になることはできません。
専任性のない工事現場であれば、主任技術者になることは可能なのね
その通りです
令3条使用人の常勤性について
「常勤性」とは労働者がある企業や団体に対して定期的に勤務することが求められる労働形態のことを指します。
具体的には一定の期間、週に何日か、一日何時間など、あらかじめ定められた勤務時間・勤務日数・勤務期間などを基準に、労働契約によって定められた仕事を行うことが求められます。パートタイムや日雇い労働者などは常勤性のある雇用形態とは言えません。
令3条使用人においては、常勤性の確認までは求められませんが、建設業許可事務ガイドラインでは「当営業所において休日その他勤務を要しない日を除き一定の計画のもとに毎日所定の時間中その職務に従事している者がこれに該当する」とあるので令3条使用人も実質は常勤の方でないと難しいと思われます。
令3条使用人になるには常勤性のある人でないと難しい
常勤性のある人が令3条使用人になるのがよさそうね
営業所に全然来られない方だと難しいですね
令3条使用人はテレワークできるか
令3条使用人については現状、テレワークの勤務について可能かどうかは明言されていませんが、原則、テレワークでの勤務は難しいと思われます。
令3条使用人は、拠点において実質的な管理・運営の責任を負うため、その場所で直接業務を監督し、指導することが求められます。テレワークでは、このような役割を十分に果たすことが難しいと判断される可能性があります。
令3条使用人のテレワークは原則不可
現状、令3条使用人のテレワークでの勤務は難しそうね
なお、専任技術者については、テレワーク勤務が認められることがあります
まとめ
<まとめ>
・令3条使用人とは、建設業法施行令第3条に基づく「支店長」や「営業所長」のような役職者を指す
・令3条使用人と専任技術者は兼任することができる
・令3条使用人は主任技術者と兼任することも可能
・常勤性については建設業許可事務ガイドラインでは「当営業所において休日その他勤務を要しない日を除き一定の計画のもとに毎日所定の時間中その職務に従事している者がこれに該当する」とあるので令3条使用人も常勤の方でないと難しい
・令3条使用人については現状、テレワークの勤務について可能かどうかは明言されていないが、原則、テレワークでの勤務は難しい
当事務所では建設業許可の代行申請を行っています