技士補の専任技術者、主任技術者要件や、補佐、経審での加点など詳しく解説

法改正により、技士補が建設業許可の申請や経営事項審査に関わるようになってきましたが、今ひとつわかりにくい部分もあるので今回は技士補について、専任技術者要件や主任技術者要件、経審での加点などをまとめてみました。

鹿野行政書士

尾西先生、技士補の扱いが今一つわかりにくいです

尾西行政書士

今回は技士補について、わかりやすく解説したものをまとめましたので、ご参考になれば幸いです。

目次

技士補が専任技術者や主任技術者、監理技術者になるための要件

技士補についても専任技術者になることが可能です。技士補、技士については、指定学科の卒業者と同じように一定の実務経験があれば、専任技術者や主任技術者、監理技術者になることが可能になりました。

1級技士補については、合格後3年、2級技士補については合格後5年の実務経験があれば、専任技術者や主任技術者、監理技術者になることが可能です。

<実務経験による技術者資格要件の見直し>
1級技士補…合格後3年の実務経験で、専任技術者や配置技術者になれる
2級技士補…合格後5年の実務経験で、専任技術者や配置技術者になれる

 ※指定建設業7業種と、電気通信工事業については除く

例えば、1級の造園施工管理技士補(又は技士)であれば、土木工学の指定学科卒業者と同じ扱いになるので、合格後に3年の実務経験があれば、土木工学に対応する業種(左官、とび、石、屋根など)の専任技術者や主任技術者になることが可能です。

気をつけなくてはいけないのが、指定建設業(土木、建築、電気、管、鋼構造物、舗装、造園工事)と電気通信については、各指定学科に対応する業種であっても技士補合格後の3年、5年の実務経験では、専任技術者や配置技術者になれないので注意が必要です。

各技士補の対応する業種や有資格区分については、下記国交省の国家資格一覧で確認ができます。

鹿野行政書士

技士補についても一定の実務経験があれば、指定7業種以外の専任技術者や主任技術者になることが可能なのですね

尾西行政書士

その通りです

技士補は補佐で技術者になることが可能

1級技士補は監理技術者の「補佐」として技術者になることも可能です。

2人の1級技士補を専任の技術者として、2つの工事現場に配置することで、監理技術者が1人で2つの工事現場を兼任することができます。

鹿野行政書士

なるほど、1級技士補が2人いれば、監理技術者は2つの工事現場を兼任することができるのですね

尾西行政書士

その通りです

1技士補を経審の技術者名簿で加点対象にする(主任技術者要件がある場合)

1級技士補については、経営事項審査においても加点対象となります。

1級技士補+国家資格などで主任技術者要件をみたす技士補については、4点が加点されます。(令第28条該当)

<主任技術者要件を満たす技士補の経審での加点(令第28条該当)>
有資格区分コード:005 点数:4点

1級技士補+国家資格又は実務経験等の主任技術者の要件を有していることが4点加点の条件

鹿野行政書士

「1級技士補+主任技術者」の要件を満たす場合、経審では4点加点になるんですね、1級技士補の資格があっても主任技術者要件がない場合は加点にならないのですか?

尾西行政書士

主任技術者の要件がない場合は次の段落で説明します

1技士補を経審の技術者名簿で加点対象にする(主任技術者要件がない場合)

技士補の経審での加点については、以前までは主任技術者要件を満たしていないと加点対象になりませんでしたが、審査基準の改正があり審査基準日が令和5年7月1日以降の経審申請については、3年以上の実務経験があれば、1点の加点になります。

1級技士補に主任技術者要件が備わっていない場合、3年以上の実務経験で1点の加点

有資格区分コードは下記の通りです。

〈1級技士補の有資格区分コード
11F(一級建設機械施工技士補)
11H(一級土木施工管理技士補)
12C(一級建築施工管理技士補)
12E(一級電気工事施工管理技士補)
12G(一級管工事施工管理技士補)
13B(一級電気通信工事施工管理技士補)
13D(一級造園施工管理技士補)

点数:1点

鹿野行政書士

技士補が主任技術者要件を満たさない場合でも、3年の実務経験があれば加点対象になるのですね、2級技士補はどうでしょう?

尾西行政書士

2級技士補の加点についても次の段落で説明します

2技士補を経審の技術者名簿で加点対象にする

施工管理技士に1級と2級があるように、技士補にも1級と2級があります。審査基準の改正があり審査基準日が令和5年7月1日以降の経審申請については2級技士補も5年以上の実務経験があれば、1点の加点対象となりました。

2級技士補に主任技術者の要件が備わっていない場合、5年以上の実務経験で1点の加点

有資格区分コードは下記の通りです

〈2級技士補の有資格区分コード〉
21J(2級土木施工管理技士補 土木)
21K(2級土木施工管理技士補 鋼構造物塗装)
21L(2級土木施工管理技士補 薬液注入)
22D(2級建築施工管理技士補)
22F(2級電気工事施工管理技士補)
23A(2級管工事施工管理技士補)
23E(2級造園施工管理技士補)

点数: 1点

またCPD単位の取得数に応じた「社会性(W)」の加点において、2級技士補が取得したCPD単位は評価対象になります。CPDについては下記の記事で解説しています。

鹿野行政書士

2級技士補についても技術職員として加点対象になるのですね

尾西行政書士

2級技士補も実務経験があれば、加点対象になります

まとめ

<まとめ>
・1級技士補については、合格後3年、2級技士補については合格後5年の実務経験があれば、一般許可の専任技術者や主任技術者になることが可能
・指定建設業(土木、建築、電気、管、鋼構造物、舗装、造園工事)と電気通信については、各指定学科に対応する業種であっても技士補合格後の3年、5年の実務経験では、主任技術者や配置技術者になれないので注意が必要
・2人の1級技士補を専任の技術者として、2つの工事現場に配置することで、監理技術者が1人で2つの工事現場を兼任することができる
・経審において、1級技士補+国家資格などで主任技術者要件をみたす技士補については、4点が加点される
・経審において、1級技士補に主任技術者要件がない場合でも、実務経験が3年あれば1点の加点
・経審において、2級技士補に実務経験が5年あれば1点の加点

尾西行政書士

弊所でも建設業許可の代行を承っております。ご相談は下記からお問合せください。

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この記事を書いた人

平成28年開業。
大阪市中央区の行政書士事務所です。
建設業許可等の申請代行を中心に取り扱っております。

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