板金工事の定義や具体例、専任技術者の要件などについて解説

建設業許可業種には「板金工事」という工事がありますが、どのような工事になるのでしょうか?

宇佐山さん

板金工事って、自動車工場の板金修理とは違うんですか?

尾西行政書士

確かに車のボディのへこみを直すことを総称して、「板金修理」と呼ばれたりしますが、建設業の「板金工事」はまた別のものです

宇佐山さん

では板金工事について、教えて頂けますか、尾西先生

尾西行政書士

はい、今回は板金工事について解説します

目次

板金工事の定義や工事区分について

まずは板金工事の定義についてみていきたいと思います。

〈板金工事とは〉
金属薄板等を加工して工作物に取付け、又は工作物に金属製等の付属物を取付ける工事

工事区分の考え方
・「建築板金工事」とは、建築物の内外装として板金をはり付ける工事をいい、具体的には建築物の外壁へのカラー鉄板張付け工事や厨房の天井へのステンレス板張付け工事等である。
・「瓦」、「スレート」及び「金属薄板」については、屋根をふく材料の別を示したものにすぎず、また、これら以外の材料による屋根ふき工事も多いことから、これらを包括して「屋根ふき工事」とする。したがって板金屋根工事も『板金工事』ではなく『屋根工事』に該当する

宇佐山さん

そもそも「板金」って何でしょう?

尾西行政書士

板金とは金属の板のことですが、板状の金属を加工したりすることも板金と呼ばれたりします

板金工事の具体例について

板金工事の具体例は以下のようなものになります。

〈板金工事の具体例〉
・板金加工取付工事
・建築板金工事 など

※建築板金工事とは、建築物の内外装として板金をはり付ける工事をいい、具体的には建築物の外壁へのカラー鉄板はり付け工事や厨房の天井へのステンレス板はり付け工事等のことです。

宇佐山さん

建物の屋根に金属板をはりつける工事も板金工事になるんですか?

尾西行政書士

次の段落で説明しますね

板金工事と屋根工事の違い

「屋根工事」においても、金属板等をはりつける作業があるかと思いますが、屋根に金属板等を取り付ける作業は「板金工事」ではなく、「屋根工事」に該当します。

屋根に金属板等をはりつける作業 → 屋根工事

似たような工事ですが、工事の種類が違うので注意が必要です。

宇佐山さん

屋根に金属板を張り付けるのは、板金工事ではなく、屋根工事になるんですね

尾西行政書士

違いを覚えておくといいでしょう

サイディング工事について

サイディングとは、外壁材の一種であり、サイディング工事とは、外壁材を外壁に沿って貼り合わせていく工事です。

サイディング工事とは …外壁材を外壁に沿って貼り合わせていく工事

サイディング工事を行う場合は、扱う材質によって業種が決まります。サイディングには、窯業(ようぎょう)系、金属系、木質系、樹脂系などがあり、窯業系がもっとも多く使われる素材になりますが、 窯業系サイディング(セメントを主原料とした外壁材)を扱う工事であれば「タイル・レンガ・ブロック工事」に該当し、金属系サイディングを扱う工事であれば「板金工事」に該当します。

工事の業種について>
窯業系サイディングの工事→「タイル・レンガ・ブロック工事」
金属系サイディングの工事→「板金工事」

宇佐山さん

なるほど、素材によって工事の業種が変わるんですね

尾西行政書士

サイディング工事=板金工事ではないので気をつけましょう

板金工事の専任技術者や配置技術者(主任技術者、監理技術者)の要件

この段落では、板金工事の専任技術者や配置技術者の資格要件をみていきたいと思います。

一般許可板金工事の専任技術者及び、主任技術者の要件>
【資格等】
・1級建築施工管理技士
・2級建築施工管理技士(仕上)
・技能検定 建築板金(選択科目「ダクト板金作業」) 
 
※2級の場合は、合格後3年以上の実務経験が必要
・技能検定 工場板金 ※2級の場合は、合格後3年以上の実務経験が必要
・技能検定 板金(選択科目「建築板金作業」)・建築板金・板金工(選択科目「建築板金作業」) 
 
※2級の場合は、合格後3年以上の実務経験が必要
・技能検定 板金・板金工・打出し板金 
 ※2級の場合は、合格後3年以上の実務経験が必要
【実務経験】
・板金工事に関して、10年以上の実務経験がある場合

※実務経験については、建築学、機械工学に関する学科を卒業した場合、高校卒業者は実務経験は5年に短縮が可能、大学卒業者は実務経験期間は3年に短縮可能

<特定許可の板金工事の専任技術者及び、監理技術者の要件>
【資格等】
1級建築施工管理技士
※特定許可の場合、資格のみで専任技術者になるには1級レベルの資格が必要
【実務経験】
・指導監督的実務経験が2年以上あり、板金工事業の一般の建設業許可の要件を満たす場合
※1級資格者は実務経験不要、資格のみで可
※指導監督的実務経験とは、元請として請け負った4,500万円以上の建設工事において、その設計又は施工の全般について、主任者または現場監督として、工事の技術面を総合的に指導監督した経験

宇佐山さん

1級資格がない場合でも2年の指導監督的実務経験+一般の専任技術者要件で、特定許可の板金工事の専任技術者になることができるのですね

尾西行政書士

そうです、特定許可の場合、2級資格や実務経験で専任技術者になるには指導監督的実務経験が必須になります

まとめ

<まとめ>
・金属薄板等を加工して工作物に取付け、又は工作物に金属製等の付属物を取付ける
・屋根に金属板等を取り付ける作業は「板金工事」ではなく、「屋根工事」に該当する
・窯業系サイディングを扱う工事であれば「タイル・レンガ・ブロック工事」に該当し、金属系サイディングを扱う工事であれば「板金工事」に該当する

尾西行政書士

当事務所では建設業許可の代行申請を行っています


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この記事を書いた人

平成28年開業。
大阪市中央区の行政書士事務所です。
建設業許可等の申請代行を中心に取り扱っております。

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