塗装工事の定義や具体例、専任技術者の要件などについて解説

建設業許可業種には「塗装工事」という工事がありますが、どのような工事になるのでしょうか?

院古部長

うちの会社でも塗装工事の許可をとりたいと考えているのだが、どのような工事が塗装工事に該当するのだろうか?

尾西行政書士

塗料や塗材などを塗付けする工事ですね

院古部長

うむ、詳しい定義や具体例についても知りたいのだが、教えて頂けるかな、尾西先生

尾西行政書士

はい、今回は塗装工事について詳しく解説します

目次

塗装工事の定義について

まずは塗装工事の定義についてみていきたいと思います。

〈塗装工事とは〉
塗装工事 とは、 塗料、塗材等を工作物に吹付け、塗付け、又ははり付ける工事

工事区分の考え方
下地調整工事及びブラスト工事については、通常、塗装工事を行う際の準備作業として当然に含まれているものである

※下地調整(したじちょうせい)とは、外壁塗装の際などに行われる仕上がりをきれいにするためのベース処理で、主に不要物の除去や、歪みを矯正などを目的に行う
※ブラストとは、塗膜の除去・鋼材表面の洗浄粗面化、さびの除去を行うこと

院古部長

なるほど、工事区分の考え方として、下地調整やブラスト工事も塗装工事の準備作業に含まれるのだね

尾西行政書士

その通りです

塗装工事の具体例について

塗装工事の具体例は以下のようなものになります。

〈塗装工事の具体例〉
・塗装工事
・溶射工事
・ライニング工事
・布張り仕上工事
・鋼構造物塗装工事
・路面標示工事

※溶射工事とは、溶射材と呼ばれる材料を加熱して、鉄筋や基礎となる金属などに吹き付ける表面処理工事のこと
※ライニング工事(更生工事)とは、古い配管を新しいものに取り換えるのではなく、既存の配管をクリーニングし、内側から専用の塗料を流して配管を再生させる工事のこと
※布張り仕上工事は、建造されている建物の壁に布地を貼り付け、そこに着色して布地が見えるように仕上げる

院古部長

ところで、建設業許可には「防水工事」という工事もあるが、塗装工事とはどういう違いがあるのだろうか?

尾西行政書士

次の段落で説明しますね

防水工事と塗装工事の違い

防水工事と塗装工事の違いについてですが、塗装工事が塗料などで塗装を目的とした工事であることに対し、防水工事は建物を水から守る目的で行われる工事であるという違いがあります。

塗装工事が塗料での塗装を目的としており、防水工事は建物を水から守る目的で行われる
塗装工事…塗料、塗材等を工作物に吹付け、塗付け、又ははり付ける工事
防水工事…アスファルト、モルタル、シーリング材等によつて防水を行う工事

院古部長

なるほど、工事の目的が違うわけだね

尾西行政書士

違いを覚えておくといいでしょう

塗装工事の専任技術者や配置技術者(主任技術者、監理技術者)の要件

この段落では、塗装工事の専任技術者や配置技術者の資格要件をみていきたいと思います。

一般許可塗装工事の専任技術者及び、主任技術者の要件>
【資格等】
・1級土木施工管理技士
・2級土木施工管理技士(鋼構造物塗装)
・1級建築施工管理技士
・2級建築施工管理技士(仕上)
・技能検定 路面標示施工 ※2級の場合は、合格後3年以上の実務経験が必要
・技能検定 塗装・木工塗装・木工塗装工 

※2級の場合は、合格後3年以上の実務経験が必要
・技能検定 建築塗装・建築塗装工 
※2級の場合は、合格後3年以上の実務経験が必要
・技能検定 金属塗装・金属塗装工 
※2級の場合は、合格後3年以上の実務経験が必要
・技能検定 噴霧塗装 
※2級の場合は、合格後3年以上の実務経験が必要
【実務経験】
・塗装工事に関して、10年以上の実務経験がある場合

※実務経験については、土木工学、建築学、に関する学科を卒業した場合、高校卒業者は実務経験は5年に短縮が可能、大学卒業者は実務経験期間は3年に短縮可能

<特定許可の塗装工事の専任技術者及び、監理技術者の要件>
【資格等】
・1級土木施工管理技士
・1級建築施工管理技士

※特定許可の場合、資格のみで専任技術者になるには1級レベルの資格が必要
【実務経験】
・指導監督的実務経験が2年以上あり、塗装工事業の一般の建設業許可の要件を満たす場合
※1級資格者は実務経験不要、資格のみで可
※指導監督的実務経験とは、元請として請け負った4,500万円以上の建設工事において、その設計又は施工の全般について、主任者または現場監督として、工事の技術面を総合的に指導監督した経験

院古部長

1級資格がない場合でも2年の指導監督的実務経験+一般の専任技術者要件で、特定許可の塗装工事の専任技術者になることができるのだね

尾西行政書士

そうです、特定許可の場合、2級資格や実務経験で専任技術者になるには指導監督的実務経験が必須になります

まとめ

<まとめ>
・塗装工事 とは、 塗料、塗材等を工作物に吹付け、塗付け、又ははり付ける工事
・下地調整工事及びブラスト工事については、通常、塗装工事を行う際の準備作業として当然に含まれているものである
・塗装工事が塗料での塗装を目的としており、防水工事は建物を水から守る目的で行われる
・1級資格がない場合でも2年の指導監督的実務経験+一般の専任技術者要件で、特定許可の塗装工事の専任技術者になることができる

尾西行政書士

当事務所では建設業許可の代行申請を行っています

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この記事を書いた人

平成28年開業。
大阪市中央区の行政書士事務所です。
建設業許可等の申請代行を中心に取り扱っております。

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