建設業許可業種には「清掃施設工事」という業種があります。
清掃施設工事ってどんな工事なんですか?
ごみ処理施設などを設置する工事になります
なるほど、では清掃施設工事について詳しく教えてもらえますか?尾西先生
わかりました、今回は清掃施設工事について解説します
清掃施設工事の定義とは
まず、清掃施設工事の定義についてみていきたいと思います。
※し尿処理施設とは、し尿および浄化槽汚泥等を処理し、公共用水域(河川、海域など)へ放流するための施設
し尿処理施設やごみ処理施設を設置する工事になるんですね
その通りです
清掃施設工事の具体例と工事区分について
清掃施設工事の具体例は以下のようなものになります。
〈清掃施設工事の具体例〉
・ごみ処理施設工事
・し尿処理施設工事
工事区分の考え方
● 公害防止施設を単体で設置する工事については、『清掃施設工事』ではなく、それぞれの公害防止施設ごとに、例えば排水処理設備であれば『管工事』、集塵設備であれば『機械器具設置工事』 等に区分すべきものである。
● し尿処理に関する施設の建設工事における『管工事』、『水道施設工事』及び『清掃施設工事』間の区分の考え方は、規模の大小を問わず浄化槽(合併処理槽を含む。)によりし尿を処理する施設の建設工事が『管工事』に該当し、公共団体が設置するもので下水道により収集された汚水を処理する施設の建設工事が『水道施設工事』に該当し、公共団体が設置するもので汲取方式により収集されたし尿を処理する施設の建設工事が『清掃施設工事』に該当する。
公害防止施設を単体で設置するのは清掃施設工事に該当しないのですね
公害防止施設を設置する場合は、施設の目的ごとにどの工事に該当するかが変わってきます
清掃施設工事の専任技術者や配置技術者(主任技術者、監理技術者)の要件
この段落では、清掃施設工事の専任技術者や配置技術者の資格要件をみていきたいと思います。
<一般許可の清掃施設工事の専任技術者及び、主任技術者の要件>
【資格等】
・技術士法の衛生工学「廃棄物管理」または「汚物処理」総合技術監理(衛生工学「廃棄物管理」)
【実務経験】
・清掃施設工事に関して、10年以上の実務経験がある場合
※実務経験については、土木工学、建築学、機械工学、都市工学、衛生工学に関する学科を卒業した場合、高校卒業者は実務経験は5年に短縮が可能、大学卒業者は実務経験期間は3年に短縮される
<特定許可の清掃施設工事の専任技術者及び、監理技術者の要件>
【資格等】
・技術士法の衛生工学「廃棄物管理」または「汚物処理」総合技術監理(衛生工学「廃棄物管理」)
【実務経験】
・指導監督的実務経験が2年以上あり、清掃施設工事業の一般の建設業許可の要件を満たす場合
※指導監督的実務経験とは、元請として請け負った4,500万円以上の建設工事において、その設計又は施工の全般について、主任者または現場監督として、工事の技術面を総合的に指導監督した経験
2年の指導監督的実務経験+一般の専任技術者要件で、特定許可の清掃施設工事の専任技術者になることができるのですね
特定許可の場合、実務経験で専任技術者になるには指導監督的実務経験が必須になります
清掃施設工事では実務経験が重要になる
清掃施設工事などで資格で専任技術者になる場合、建設業法の国家資格では対象の資格がなく、技術士法の資格で専任技術者になれますが技術士法の資格は合格率が低く、なかなかハードルの高い資格です。
ですので実情は実務経験で専任技術者になって頂く方が多いのですが、機械器具や清掃施設の工事は工事金額が大きくなりやすく建設業許可のある会社でないと実務経験が積みにくいです。
機械器具や清掃施設の業種で実務経験がとれず、専任技術者がいない、交代ができないなどで困ったというお話を何度か伺ったことがあります。
機械器具や清掃施設での実務経験は貴重なものになるので、許可をお持ちの会社は実務経験をしっかり積上げておきましょう。
清掃施設工事では実務経験で専任技術者になっているケースが多いのですね
専任技術者もいずれ交代するときがくるので、交代するときに備えておく必要があります
まとめ
<まとめ>
・清掃施設工事とは、し尿処理施設又はごみ処理施設を設置する工事
・公害防止施設を単体で設置するのは清掃施設工事に該当しない
・2年の指導監督的実務経験+一般の専任技術者要件で、特定許可の清掃施設工事の専任技術者になることができる
・清掃施設工事では実務経験が重要になる
当事務所では建設業許可の代行申請を行っています