建設業許可業種には「消防施設工事」という業種があります。
消防施設工事って、消火施設に関する工事のことですか?
そうです、他にも火災警報設備の工事や、避難設備の工事などが挙げられます
では、消防施設工事について詳しくおしえてもらえますか?尾西先生
わかりました、今回は消防施設工事について詳しく解説します
消防施設工事の定義とは
まず、消防施設工事の定義についてみていきたいと思います。
やはり消防施設に関する工事になるのですね
その通りです
消防施設工事の具体例と工事区分について
消防施設工事の具体例は以下のようなものになります。
〈消防施設工事の具体例〉
・屋内消火栓設置工事
・スプリンクラー設置工事
・水噴霧、泡、不燃性ガス、蒸発性液体又は粉末による消火設備工事
・屋外消火栓設置工事
・動力消防ポンプ設置工事
・火災報知設備工事
・漏電火災警報器設置工事
・非常警報設備工事
・金属製避難はしご、救助袋、緩降機、避難橋又は排煙設備の設置工事
工事区分の考え方
●「金属製避難はしご」とは、火災時等にのみ使用する組立式のはしごであり、ビルの外壁に固定された避難階段等はこれに該当しない。したがって、このような固定された避難階段を設置する工事は『消防施設工事』ではなく、建築物の躯体の一部の工事として『建築一式工事』又は『鋼構造物工事』に該当する。
●『機械器具設置工事』には広くすべての機械器具類の設置に関する工事が含まれるため、機械器具の種類によっては『電気工事』、『管工事』、『電気通信工事』、『消防施設工事』等と重複するものもあるが、これらについては原則として『電気工事』等それぞれの専門の工事の方に区分するものとし、これらいずれにも該当しない機械器具あるいは複合的な機械器具の設置が『機械器具設置工事』に該当する。
避難階段の設置工事は消防設備工事には該当しないのですね
避難階段の設置工事は建築一式工事か鋼構造物工事に該当するので、覚えておくといいですね
消防施設工事の専任技術者や配置技術者(主任技術者、監理技術者)の要件
この段落では、消防施設工事の専任技術者や配置技術者の資格要件をみていきたいと思います。
<一般許可の消防施設工事の専任技術者及び、主任技術者の要件>
【資格等】
・消防法の甲種消防設備士
・消防法の乙種消防設備士
【実務経験】
・実務経験では専任技術者になれない
※消防施設工事に関しては、消防法の規定により、無資格者の実務経験が認められないので、専任技術者になれるのは資格者のみです。
<特定許可の消防施設工事の専任技術者及び、監理技術者の要件>
【資格等】
・資格のみでは専任技術者になれない
※消防施設工事に関しては、資格のみでは特定の選任技術者にはなれず、指導監督的実務経験が必要になります。
【実務経験】
・指導監督的実務経験が2年以上あり、消防施設工事業の一般の建設業許可の要件を満たす場合
※指導監督的実務経験とは、元請として請け負った4,500万円以上の建設工事において、その設計又は施工の全般について、主任者または現場監督として、工事の技術面を総合的に指導監督した経験
消防施設工事に関しては、実務経験だけで専任技術者になることはできないんですね
はい、消防施設工事で専任技術者になる場合は、原則、消防法の消防設備士の資格が必要です
なお、特定許可の選任技術者になる場合は、消防設備士の資格+2年以上の指導監督的実務経験が必要になります
まとめ
<まとめ>
・消防設備工事とは、火災警報設備、消火設備、避難設備若しくは消火活動に必要な設備を設置し、又は工作物に取付ける工事
・「金属製避難はしご」とは、火災時等にのみ使用する組立式のはしごであり、ビルの外壁に固定された避難階段等はこれに該当しない。したがって、このような固定された避難階段を設置する工事は『消防施設工事』ではなく、建築物の躯体の一部の工事として『建築一式工事』又は『鋼構造物工事』に該当する。
・消防施設工事で専任技術者になる場合は、原則、消防法の消防設備士の資格が必要
・特定許可の選任技術者になる場合は、消防設備士の資格+2年以上の指導監督的実務経験が必要
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