屋根工事とは工事の定義や具体例、専任技術者の要件などについて

建設業許可業種には「屋根工事」という工事がありますが、どのような工事になるのでしょうか?

ナツメグ夫人

屋根工事って、屋根を交換するような工事かしら?

尾西行政書士

屋根の交換工事も屋根工事に該当しますが、その他屋根工事にもいろいろありますよ

ナツメグ夫人

あら、じゃあ、詳しく教えてくださらない?尾西先生

尾西行政書士

わかりしました、今回は屋根工事について解説します

目次

屋根工事の定義と工事区分の考え方

まずは屋根工事の定義についてみていきたいと思います。

<屋根工事とは>
屋根工事とは、瓦、スレート、金属薄板等により屋根を葺く(ふく)工事
※「屋根を葺く(ふく)」とは、屋根を仕上げ材で覆うことをいいます

工事区分の考え方
・「瓦」、「スレート」及び「金属薄板」については、屋根をふく材料の別を示したものにすぎず、また、これら以外の材料による屋根ふき工事も多いことから、これらを包括して「屋根ふき工事」とする。したがって板金屋根工事も『板金工事』ではなく『屋根工事』に該当する。
・屋根断熱工事は、断熱処理を施した材料により屋根をふく工事であり「屋根ふき工事」の一類型
である。
・屋根一体型の太陽光パネル設置工事は『屋根工事』に該当する。太陽光発電設備の設置工事は
『電気工事』に該当し、太陽光発電パネルを屋根に設置する場合は、屋根等の止水処理を行う工
事が含まれる。

ナツメグ夫人

屋根を葺く工事というのはわかったけれど、屋根を葺くことによってどういうメリットがあるのかしら?

尾西行政書士

雨漏りを防止したり、家を長持ちさせるなどのメリットが考えられます

屋根工事の具体例

屋根工事の具体例

  • 葺き替え工事
  • 葺き直し工事
  • 重ね葺き工事(カバー工法)
  • 塗装工事
  • 屋根材の修繕工事
  • 漆喰補修、交換工事
  • 棟板金交換工事
  • 雨樋修理、交換工事 など

※屋根断熱工事は、断熱処理を施した材料により屋根をふく工事であり「屋根ふき工事」の一類型です。
※屋根一体型の太陽光パネル設置工事は『屋根工事』に該当する。太陽光発電設備の設置工事は『電気工事』に該当し、太陽光発電パネルを屋根に設置する場合は、屋根等の止水処理を行う工事が含まれる。

ナツメグ夫人

屋根工事っていっても色んな種類があるのね

尾西行政書士

ちなみに板金屋根工事も『板金工事』ではなく『屋根工事』に該当します

足場なしでの屋根工事は違法になるのか?

屋根工事を行う際には「足場」の組み立てを行って、工事を行う場合がほとんどになるかと思いますが、足場自体は仮設のものなので、中には足場の組み立てを省略したいと思う方もいるようです。

しかし注意しないといけないのは、屋根塗装を足場なしで行った場合、違法になってしまうケースがあります。

厚生労働省による労働安全衛生規則には、下記のように記載されています。

厚生労働省による労働安全衛生規則518条>
事業者は、高さが二メートル以上の箇所(作業床の幅、開口部等を除く)で作業を行う場合において墜落により労働者に危険を及ぼすおそれのあるときは、足場を組み立てる等の方法により作業床を設けなければならない

二メートル以上の箇所で作業を行う場合は、足場等が必要になるという規則があるので、屋根工事においては、足場の組み立てが原則必要となります。

ただし、陸屋根や屋上などの屋根工事など、墜落のおそれのない場合については、足場は必須とはなっていません。

屋根工事に足場は必要か?
→原則必要、ただし、陸屋根や屋上などの屋根工事など、墜落のおそれのない工事には必須ではない

ナツメグ夫人

足場が不要になる屋根工事もあるのね

尾西行政書士

墜落のおそれのない状況での工事であれば、不要になることもあるようです

屋根工事の専任技術者や配置技術者(主任技術者、監理技術者)の要件

この段落では屋根工事の専任技術者や配置技術者の要件をみていきたいと思います。

一般許可の屋根工事の専任技術者及び、主任技術者の要件>
【資格等】
・1級建築施工管理技士
・2級建築施工管理技士(仕上)
・1級建築士
・2級建築士
・技能検定 建築板金(選択科目「ダクト板金作業」) 
※2級の場合は、合格後3年以上の実務経験が必要
・技能検定の板金(選択科目「建築板金作業」)、建築板金、板金工(選択科目「鉄筋組立て作業」) ※2級の場合は、合格後3年以上の実務経験が必要
・技能検定のかわらぶき 
※2級の場合は、合格後3年以上の実務経験が必要
【実務経験】
・屋根工事に関して、10年以上の実務経験がある場合

※実務経験については、土木工学、建築学に関する学科を卒業した場合、高校卒業者は実務経験は5年に短縮が可能、大学卒業者は実務経験期間は3年に短縮可能

<特定許可の屋根工事の専任技術者及び、監理技術者の要件>
【資格等】
・1級建築施工管理技士
・1級建築士

※特定許可の場合、資格で専任技術者になるには1級レベルの資格が必要です
【実務経験】
・指導監督的実務経験が2年以上あり、屋根工事業の一般の建設業許可の要件を満たす場合
※1級資格者は実務経験不要、資格のみで可
※指導監督的実務経験とは、元請として請け負った4,500万円以上の建設工事において、その設計又は施工の全般について、主任者または現場監督として、工事の技術面を総合的に指導監督した経験

ナツメグ夫人

1級資格がない場合でも2年の指導監督的実務経験+一般の専任技術者要件で、特定許可の屋根工事の専任技術者になることができるのね

尾西行政書士

そうです、特定許可の場合、2級資格や実務経験で専任技術者になるには指導監督的実務経験が必須になります

まとめ

<まとめ>
・屋根工事とは、瓦、スレート、金属薄板等により屋根を葺く(ふく)工事
・板金屋根工事も『板金工事』ではなく『屋根工事』に該当する
・二メートル以上の箇所で作業を行う場合は、足場等が必要になるという規則があるので、屋根工事においては、足場の組み立てが原則必要
・陸屋根や屋上などの屋根工事など、墜落のおそれのない場合については、足場は必須とはなっていない。

尾西行政書士

当事務所では建設業許可の代行申請を行っています

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この記事を書いた人

平成28年開業。
大阪市中央区の行政書士事務所です。
建設業許可等の申請代行を中心に取り扱っております。

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