造園工事の定義や具体例、専任技術者の要件などについて解説

建設業許可業種には「造園工事」という工事の業種があります。

院古部長

造園工事とはどのような工事なのだろうか?

尾西行政書士

庭園や公園を造ったり、建築物の緑化などを行う工事です

院古部長

ほう、そのうなのか、では、そのあたりを詳しく教えてもらえないかな?尾西先生

尾西行政書士

はい、今回は造園工事について詳しく解説します

目次

造園工事の定義とは

まず、造園工事の定義についてみていきたいと思います。

〈造園工事とは〉
整地、樹木の植栽、景石のすえ付け等により庭園、公園、緑地等の苑地を築造し、道路、建築物の屋上等を緑化し、又は植生を復元する工事

院古部長

具体的にはどんな工事があるんだろうか?

尾西行政書士

次の段落で具体例についてみていきます

造園工事の具体例と工事区分について

造園工事の具体例は以下のようなものになります。

〈造園工事の具体例〉
・植栽工事
・地被工事
・景石工事
・地ごしらえ工事
・公園設備工事
・広場工事
・園路工事
・水景工事
・屋上等緑化工事
・緑地育成工事

工事区分の考え方
●  「植栽工事」には、植生を復元する建設工事が含まれる。
●  「広場工事」とは、修景広場、芝生広場、運動広場その他の広場を築造する工事であり、「園路工 事」とは、公園内の遊歩道、緑道等を建設する工事である。
●  「公園設備工事」には、花壇、噴水その他の修景施設、休憩所その他の休養施設、遊戯施設、便 益施設等の建設工事が含まれる。
●  「屋上等緑化工事」とは、建築物の屋上、壁面等を緑化する建設工事である。
●  「緑地育成工事」とは、樹木、芝生、草花等の植物を育成する建設工事であり、土壌改良や支柱の 設置等を伴って行う工事である。

院古部長

植木の剪定や伐採なども造園工事になるのだろうか?

尾西行政書士

次の段落で説明しますね

造園工事に該当しないもの

造園工事は「整地、樹木の植栽、景石のすえ付け等により、道路、建築物の屋上等を緑化し、又は植生を復元する工事」となっていますが、「維持管理、剪定、除草、枝打ち、草刈、伐採、緑地の清掃」などの作業は造園工事に該当しません。

維持管理、剪定、除草、枝打ち、草刈、伐採、緑地の清掃などの作業は造園工事に該当しない

これらの作業だけを行う場合は、そもそも建設業法の工事には該当しませんので、工事経歴書などに誤って記入しないように注意しましょう。

院古部長

なるほど、剪定や伐採は造園工事に該当しないのだね

尾西行政書士

植木を剪定するだけの作業や伐採するだけの作業であれば、そもそも建設業法上の工事には該当しないと考えられます

造園工事と土木工事の違い

造園工事と土木一式工事の違いについてですが、造園工事が「庭園、公園、緑地等の苑地を築造し、道路、建築物の屋上等を緑化、又は植生を復元する」ということを目的にしているのに対し、土木一式工事では、「ダム、トンネル、道路等の土木工作物を総合的に建設する」ということを目的にしています。

造園工事… 整地、樹木の植栽、景石のすえ付け等により「庭園、公園、緑地等」の苑地を築造し、「道路、建築物の屋上等を緑化し、又は植生」を復元する工事

土木一式工事…総合的な企画、指導、調整のもとにダム、トンネル等の「土木工作物」を建設する工事

少し似ている工事ではありますが、造園工事が公園の築造や緑化などで快適性担うのに対し、土木一式工事がダム、トンネルなどの土木工作物の建設で利便性を担っていると考えることもできるとも思います。

院古部長

ふーむ、造園工事と土木工事では目的が違うわけだ

尾西行政書士

土木工事については、下記のブログで詳しく解説しています

造園工事の専任技術者や配置技術者(主任技術者、監理技術者)の要件

この段落では、造園工事の専任技術者や配置技術者の資格要件をみていきたいと思います。

一般許可の造園工事の専任技術者及び、主任技術者の要件>
【資格等】
・1級造園施工管理技士
・2級造園施工管理技士
・技術士法 建設部門・総合技術監理部門(建設)
・技術士法 建設部門「鋼構造及びコンクリート」・総合技術監理部門(建設「鋼構造及びコンクリート」)
・技術士法 森林部門「林業」・総合技術監理部門(森林「林業」)
・技術士法 森林部門「森林土木」・総合技術監理部門(森林「森林土木」)
・技能検定 造園
 ※2級の場合は、合格後3年以上の実務経験が必要
【実務経験】
・造園工事に関して、10年以上の実務経験がある場合

※実務経験については、土木工学、建築学、都市工学に関する学科を卒業した場合、高校卒業者は実務経験は5年に短縮が可能、大学卒業者は実務経験期間は3年に短縮可能

<特定許可の造園工事の専任技術者及び、監理技術者の要件>
【資格等】
・1級造園施工管理技士
・技術士法 建設部門・総合技術監理部門(建設)
・技術士法 建設部門「鋼構造及びコンクリート」・総合技術監理部門(建設「鋼構造及びコンクリート」)
・技術士法 森林部門「林業」・総合技術監理部門(森林「林業」)
・技術士法 森林部門「森林土木」・総合技術監理部門(森林「森林土木」)

院古部長

特定許可の造園工事では、実務経験は要件に該当しないのだね

尾西行政書士

そうです、造園工事は指定7業種に該当しますので、実務経験では特定許可の専任技術者にはなれません

まとめ

<まとめ>
・造園工事とは、整地、樹木の植栽、景石のすえ付け等により庭園、公園、緑地等の苑地を築造し、道路、建築物の屋上等を緑化し、又は植生を復元する工事
・「維持管理、剪定、除草、枝打ち、草刈、伐採、緑地の清掃」などの作業は造園工事に該当しない
・造園工事が「庭園、公園、緑地等の苑地を築造し、道路、建築物の屋上等を緑化、又は植生を復元する」ということを目的にしているのに対し、土木一式工事では、「ダム、トンネル、道路等の土木工作物を総合的に建設する」ということを目的にしている
・造園工事は指定7業種に該当しますので、実務経験では特定許可の専任技術者にはなれない

尾西行政書士

当事務所では建設業許可の代行申請を行っています

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この記事を書いた人

平成28年開業。
大阪市中央区の行政書士事務所です。
建設業許可等の申請代行を中心に取り扱っております。

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