建設業許可業種には「防水工事」という工事がありますが、どのような工事になるのでしょうか?
防水が目的の工事だったら、どんな工事でも防水工事ってことになるのか?
防水目的であれば、どんな工事でも「防水工事」に該当するというわけではありません
じゃあさ、詳しく教えてくれよ、尾西先生
わかりました、今回は防水工事について解説します
防水工事の定義について
まずは防水工事の定義についてみていきたいと思います。
工事区分の考え方
・『防水工事』に含まれるものは、いわゆる建築系の防水工事のみであり、トンネル防水工事等の土木系の防水工事は『防水工事』ではなく『とび・土工・コンクリート工事』に該当する。
・防水モルタルを用いた防水工事は左官工事業、防水工事業どちらの業種の許可でも施工可能である。
へえ、土木系の防水工事は『防水工事』ではなく『とび・土工・コンクリート工事』に該当するんだな
建築系の防水工事が「防水工事」で土木系の防水工事は「とび・土工・コンクリート工事」であると覚えておくといいですね
防水工事の具体例について
防水工事の具体例は以下のようなものになります。
〈防水工事の具体例〉
・アスファルト防水工事
・モルタル防水工事
・シーリング工事
・塗膜防水工事
・シート防水工事
・注入防水工事
※モルタルとはセメントに、砂を加えて水で練り合わせたもので、モルタル防水工事とは、建物の屋上やベランダなどに行なう防水工事のこと
※シーリング工事とは、建物の外壁ボード間のつなぎ目や外壁とサッシの隙間など、動きの多い目地または隙間などに高度の防水性・機密性等を確保することを目的とした工事のこと
※塗膜防水工事とは、塗料で行う防水工事のこと
※シート防水工事とは、塩化ビニルシートやゴムシートを下地に貼り付ける防水工事のこと
防水工事にもいろいろあるんだねえ
防水のやり方にもいろんな方法があります
防水工事と塗装工事の違い
防水工事と塗装工事の違いについてですが、塗装工事が塗料などで塗装を目的とした工事であることに対し、防水工事は建物を水から守る目的で行われる工事であるという違いがあります。
塗装工事が塗料での塗装を目的としており、防水工事は建物を水から守る目的で行われる
塗装工事…塗料、塗材等を工作物に吹付け、塗付け、又ははり付ける工事
防水工事…アスファルト、モルタル、シーリング材等によつて防水を行う工事
それぞれ工事の目的が違うわけだ
違いを覚えておくといいでしょう
防水工事の専任技術者や配置技術者(主任技術者、監理技術者)の要件
この段落では、防水工事の専任技術者や配置技術者の資格要件をみていきたいと思います。
<一般許可防水工事の専任技術者及び、主任技術者の要件>
【資格等】
・1級建築施工管理技士
・2級建築施工管理技士(仕上)
・技能検定 防水施工
※2級の場合は、合格後3年以上の実務経験が必要
【実務経験】
・防水工事に関して、10年以上の実務経験がある場合
※実務経験については、土木工学、建築学に関する学科を卒業した場合、高校卒業者は実務経験は5年に短縮が可能、大学卒業者は実務経験期間は3年に短縮可能
<特定許可の防水工事の専任技術者及び、監理技術者の要件>
【資格等】
・1級建築施工管理技士
※特定許可の場合、資格のみで専任技術者になるには1級レベルの資格が必要
【実務経験】
・指導監督的実務経験が2年以上あり、塗装工事業の一般の建設業許可の要件を満たす場合
※1級資格者は実務経験不要、資格のみで可
※指導監督的実務経験とは、元請として請け負った4,500万円以上の建設工事において、その設計又は施工の全般について、主任者または現場監督として、工事の技術面を総合的に指導監督した経験
1級資格がない場合でも2年の指導監督的実務経験+一般の専任技術者要件で、特定許可の防水工事の専任技術者になることができるのか
そうです、特定許可の場合、2級資格や実務経験で専任技術者になるには指導監督的実務経験が必須になります
まとめ
<まとめ>
・防水工事とは、アスファルト、モルタル、シーリング材等によつて防水を行う工事
・『防水工事』に含まれるものは、いわゆる建築系の防水工事のみであり、トンネル防水工事等の土木系の防水工事は『防水工事』ではなく『とび・土工・コンクリート工事』に該当する
・防水モルタルを用いた防水工事は左官工事業、防水工事業どちらの業種の許可でも施工可能である
・塗装工事が塗料などで塗装を目的とした工事であることに対し、防水工事は建物を水から守る目的で行われる工事であるという違いがある
・1級資格がない場合でも2年の指導監督的実務経験+一般の専任技術者要件で、特定許可の防水工事の専任技術者になることができる
当事務所では建設業許可の代行申請を行っています