建設業許可業種には「とび・土工・コンクリート工事」という工事がありますが、どのような工事になるのでしょうか?
とび・土工・コンクリート工事って結構範囲が広いんですよね
そうですね、とび・土工・コンクリート工事には様々に工事が含まれる解釈になると思います
じゃあ、具体的にどのような工事になるのか、教えてもらっていいですか?
わかりました、今回はとび・土工・コンクリート工事について詳しく解説します
とび・土工・コンクリート工事の定義や工事の区分の考え方について
まずは左官工事の定義についてみていきたいと思います。
工事区分の考え方について
① 『とび・土工・コンクリート工事』における「コンクリートブロック据付け工事」並びに『石工事』及び『タイル・れんが・ブロツク工事』における「コンクリートブロック積み(張り)工事」間の区分の考え方は次のとおりである。 ・根固めブロック、消波ブロックの据付け等土木工事において規模の大きいコンクリートブロックの据付けを行う工事、プレキャストコンクリートの柱、梁等の部材の設置工事等が『とび・土工・コンクリート工事』における「コンクリートブロック据付け工事」である。 ・建築物の内外装として擬石等をはり付ける工事や法面処理、又は擁壁としてコンクリートブロックを積み、又ははり付ける工事等が『石工事』における「コンクリートブロック積み(張り)工事」である。 ・コンクリートブロックにより建築物を建設する工事等が『タイル・れんが・ブロツク工事』における「コンクリートブロック積み(張り)工事」であり、エクステリア工事としてこれを行う場合を含む。
② 『とび・土工・コンクリート工事』における「鉄骨組立工事」と『鋼構造物工事』における「鉄骨工事」との区分の考え方は、鉄骨の製作、加工から組立てまでを一貫して請け負うのが『鋼構造物工事』における「鉄骨工事」であり、既に加工された鉄骨を現場で組立てることのみを請け負うのが『とび・土工・コンクリート工事』における「鉄骨組立工事」である。
③ 「プレストレストコンクリート工事」のうち橋梁等の土木工作物を総合的に建設するプレストレストコンクリート構造物工事は『土木一式工事』に該当する。
④ 「地盤改良工事」とは、薬液注入工事、ウエルポイント工事等各種の地盤の改良を行う工事を総称したものである。
⑤ 『とび・土工・コンクリート工事』における「吹付け工事」とは、「モルタル吹付け工事」及び「種子吹付け工事」を総称したものであり、法面処理等のためにモルタル又は種子を吹付ける工事をいい、建築物に対するモルタル等の吹付けは『左官工事』における「吹付け工事」に該当する。
⑥ 「法面保護工事」とは、法枠の設置等により法面の崩壊を防止する工事である。
⑦ 「道路付属物設置工事」には、道路標識やガードレールの設置工事が含まれる。
⑧ 『とび・土工・コンクリート工事』における「屋外広告物設置工事」と『鋼構造物工事』における「屋外広告工事」との区分の考え方は、現場で屋外広告物の製作、加工から設置までを一貫して請け負うのが『鋼構造物工事』における「屋外広告工事」であり、それ以外の工事が『とび・土工・コンクリート工事』における「屋外広告物設置工事」である。
⑨ トンネル防水工事等の土木系の防水工事は『防水工事』ではなく『とび・土工・コンクリート工事』に該当し、いわゆる建築系の防水工事は『防水工事』に該当する。
基礎的工事や準備的工事も、とび・土工・コンクリート工事に該当するんですね
その通りです
とび・土工・コンクリート工事の具体例
この段落では、とび・土工・コンクリート工事の具体例についてみていきたい思います。
とび・土工・コンクリート工事の具体例
- とび工事(鳶工事)
- ひき工事
- 足場等仮設工事
- 重量物のクレーン等による揚重運搬配置工事
- 鉄骨組立て工事
- コンクリートブロック据付け工事
- 工作物解体工事
- くい工事
- くい打ち工事
- くい抜き工事
- 場所打ぐい工事
- 土工事
- 掘削工事
- 根切り工事
- 発破工事
- 盛土工事
- コンクリート工事
- コンクリート打設工事
- コンクリート圧送工事
- プレストレストコンクリート工事
- 地すべり防止工事
- 地盤改良工事
- ボーリンググラウト工事
- 土留め工事
- 仮締切り工事
- 吹付け工事
- 道路付属物設置工事
- 捨石工事
- 外構工事
- はつり工事 など
本当に工事の範囲が広いですね…
とび・土工・コンクリート工事の許可はさまざまな工事に対応しているので、許可を取得できると利便性がありそうですね
とび・土工・コンクリート工事と土木一式工事の違い
とび・土工・コンクリート工事は、足場の仮設工事や堀作工事や基礎工事などの「専門工事」となりますが、土木一式工事は、ダムやトンネル、高速道路などの大掛かりな工事を行う「一式工事」です。
一式工事とは、総合的な企画、指導、調整のもとに建設する工事です。大規模な工事や、施工内容が複雑になる工事を、原則として元請業者の立場で総合的に運営、管理する建設業者が行う工事になります。
とび・土工・コンクリート工事と土木一式工事では、専門工事であるか一式工事であるかというところが大きな違いになると思います。
下請業者の立場で基礎工事や堀削のような、全体の一部である専門工事を請負いするような場合は、とび・土工・コンクリートに該当するかと思いますが、基礎工事や堀削に加えて、ダムを建設するような大掛かりな工事を元請の立場で請負し、総合的に工事を行っていく場合は、とび・土工・コンクリート工事に該当することになるでしょう。
一式工事と専門工事は全然違う工事なんですね
一式工事はかなり大掛かりな工事になる場合がほとんどだと思います
とび・土工・コンクリート工事の専任技術者や配置技術者(主任技術者、監理技術者)の要件
この段落ではとび・土工・コンクリート工事の専任技術者や配置技術者の要件をみていきたいと思います。
<一般許可のとび・土工・コンクリート工事の専任技術者及び、主任技術者の要件>
・1級建設機械施工技士
・2級建設機械施工技士(第一種~第六種)
・1級土木施工管理技士
・2級土木施工管理技士(種別は土木)
・2級土木施工管理技士(種別は薬液注入)
・1級建築施工管理技士
・2級建築施工管理技士(種別は躯体)
・技術士法「技術士試験」建設・総合技術監理(建設)
・技術士法「技術士試験」建設「鋼構造及びコンクリート」・総合技術監理(建設「鋼構造及びコンクリート」)
・技術士法「技術士試験」農業「農業土木」・総合技術監理(農業「農業土木」)
・技術士法「技術士試験」水産「水産土木」・総合技術監理(水産「水産土木」)
・技術士法「技術士試験」森林「森林土木」・総合技術監理(森林「森林土木」)
・職業能力開発促進法「技能検定」 型枠施工
・職業能力開発促進法「技能検定」 とび・とび工・コンクリート圧送施工
・職業能力開発促進法「技能検定」 ウェルポイント施工
・地すべり防止工事(1年の実務経験が必要)
・とび・土工・コンクリート工事に関して、10年以上の実務経験がある場合
※10年以上の実務経験については、土木工学、建築学に関する学科を卒業した場合、高校卒は実務経験は5年に短縮が可能、大学の場合は実務経験期間は3年に短縮可能
<特定許可のとび・土工・コンクリート工事の専任技術者及び、監理技術者の要件>
・1級建設機械施工技士
・1級土木施工管理技士
・1級建築施工管理技士
・技術士 建設部門・総合技術監理部門(建設)
・技術士 建設部門「鋼構造及びコンクリート」・総合技術監理部門(建設「鋼構造及びコンクリート」)
・技術士 農業部門「農業土木」・総合技術監理部門(農業「農業土木」)
・技術士 水産部門「水産土木」・総合技術監理部門(水産「水産土木」)
・技術士 森林部門「森林土木」・総合技術監理部門(森林「森林土木」)
・指導監督的実務経験が2年以上あり、とび・土工・コンクリート工事業の一般の建設業許可の要件を満たす場合
1級資格がない場合でも2年の指導監督的実務経験+一般の専任技術者要件で、特定許可のとび・土工・コンクリート工事の専任技術者になることが可能なんですね
そうです、特定許可の場合、2級資格や実務経験で専任技術者になるには指導監督的実務経験が必須になります
まとめ
<まとめ>
・とび・土工・コンクリート工事工事は、1.足場の組立て、機械器具・建設資材等の重量物の運搬配置2.くい打ち、杭抜きや場所打杭を行う工事3.土砂などの掘削、盛り上げ、締固めなどを行う工事5.その他の基礎的工事または準備的工事の5つのとび工事、土工工事、基礎工事に分類される。
・とび・土工・コンクリート工事には、とび工事(鳶工事)、足場等仮設工事、基礎工事などがある。
・とび・土工・コンクリート工事は、足場の仮設工事や堀作工事や基礎工事などの「専門工事」となるが、土木一式工事は、ダムやトンネル、高速道路などの大掛かりな工事を行う「一式工事」となる。
当事務所では建設業許可の代行申請を行っています