電気通信工事の定義や具体例、専任技術者の要件などについて解説

建設業許可業種には「電気通信工事」という工事の業種があります。

鹿野行政書士

電気通信工事ってどんな工事なんですか?

尾西行政書士

電気通信設備を設置する工事になります

鹿野行政書士

う~ん、今一つイメージがわかないので、詳しく解説してもらえますか、尾西先生

尾西行政書士

わかりました、今回は電気通信工事について解説します

目次

電気通信工事の定義とは

まず、電気通信工事の定義についてみていきたいと思います。

〈電気通信工事とは〉
電気通信工事とは、有線電気通信設備、無線電気通信設備、ネットワーク設備、情報設備、放送機械設備等の電気通信設備を設置する工事

鹿野行政書士

通信、ネットワークに関する工事なんですね

尾西行政書士

次の段落では具体例についてみていきます

電気通信工事の具体例と工事区分について

電気通信工事の具体例は以下のようなものになります。

〈電気通信工事の具体例〉
・有線電気通信設備工事
・無線電気通信設備工事
・データ通信設備工事
・情報処理設備工事
・情報収集設備工事
・情報表示設備工事
・放送機械設備工事
・TV電波障害防除設備工事

工事区分の考え方
◎既に設置された電気通信設備の改修、修繕又は補修は『電気通信工事』に該当する。なお、保守(電気通信施設の機能性能及び耐久性の確保を図るために実施する点検、整備及び修理をいう。)に関する役務の提供等の業務は、『電気通信工事』に該当しない。
◎『機械器具設置工事』には広くすべての機械器具類の設置に関する工事が含まれるため、機械器具の種類によっては『電気工事』、『管工事』、『電気通信工事』、『消防施設工事』等と重複するものもあるが、これらについては原則として『電気工事』等それぞれの専門の工事の方に区分するものとし、これらいずれにも該当しない機械器具あるいは複合的な機械器具の設置が『機械器具設置工事』に該当する。

鹿野行政書士

電気通信工事は「電気工事」と、どう違うのでしょうか?

尾西行政書士

電気工事との違いは次の段落で説明しますね

電気工事業と電気通信工事業の違い

電気工事業と電気通信工事業の違いについてですが、電気工事は「電気設備」の工事を行い、電気工事通信工事では「通信設備」の工事を行います。

また電力の大きさが違うというのも特徴になります。一般的には、電気工事業は強い電気を扱う工事に対して、電気通信工事業は弱い電気を扱う工事であると言われます。

<電気工事業>
内容:電気設備の工事を行う。
具体例:発電設備工事、電車線工事、証明設備工事、信号設備工事など
電力の大きさ:強い

<電気通信工事業>
内容:通信設備の工事を行う。
具体例:LAN工事、電話工事、放送設備工事、インターホン工事など
電力の大きさ:弱い

鹿野行政書士

なるほど、電気通信工事は電気工事に比べると電力の弱いものを扱う工事なんですね

尾西行政書士

そのように覚えておくといいと思います

電気通信工事の専任技術者や配置技術者(主任技術者、監理技術者)の要件

この段落では、電気通信工事の専任技術者や配置技術者の資格要件をみていきたいと思います。

一般許可の電気通信工事の専任技術者及び、主任技術者の要件>
【資格等】
・一級電気通信工事施工管理技士
・二級電気通信工事施工管理技士
・技術士法の電気電子・総合技術監理(電気電子)
・電気通信事業法の電気通信主任技術者
※5年以上の実務経験が必要
【実務経験】
・電気通信工事に関して、10年以上の実務経験がある場合

※実務経験については、土木工学、建築学、機械工学に関する学科を卒業した場合、高校卒業者は実務経験は5年に短縮が可能、大学卒業者は実務経験期間は3年に短縮可能

<特定許可の電気通信工事の専任技術者及び、監理技術者の要件>
【資格等】
・一級電気通信工事施工管理技士
・技術士法の電気電子・総合技術監理(電気電子)

【実務経験】
・指導監督的実務経験が2年以上あり、電気通信工事業の一般の建設業許可の要件を満たす場合
※指導監督的実務経験とは、元請として請け負った4,500万円以上の建設工事において、その設計又は施工の全般について、主任者または現場監督として、工事の技術面を総合的に指導監督した経験

鹿野行政書士

2年の指導監督的実務経験+一般の専任技術者要件で、特定許可の電気通信工事の専任技術者になることができるのですね

尾西行政書士

そうです、特定許可の場合、実務経験で専任技術者になるには指導監督的実務経験が必須になります

気通信工事施工管理技士とは

電気通信施工管理技士は2019年に新設された資格です。

電気通信工事施工管理技士は、LANケーブルの新設や電波障害の調査、基地局設置など、電話や携帯電話、インターネット等に関わる幅広い工事を行います。

電気通信施工管理技士とは
LANケーブルの新設や電波障害の調査、基地局設置など、電話や携帯電話、インターネット等に関わる工事を行う

電気通信施工管理技士の資格を取得すると電気通信工事の専任技術者や主任技術者、監理技術者等になることが可能です。

1級電気通信施工管理技士 → 特定、一般許可の専任技術者や監理技術者、主任技術者になれる
2級電気通信施工管理技士 → 
一般許可の専任技術者や主任技術者になれる

また電気工事施工管理技士と少し似ていますが、違いとしては、電気工事施工管理技士が電車線工事や非常用電源設備工事などの電力の強い工事を扱う資格に対して、電気通信施工管理技士は、電話やインターネットなどの通信関係の比較的電力の弱い工事を扱う資格です。

電気工事施工管理技士… 電車線工事や非常用電源設備工事などの比較的電力の強い工事を扱う
電気通信施工管理技士… 電話やインターネットなどの通信関係の比較的電力の弱い工事を扱う

まとめ

<まとめ>
・電気通信工事とは、有線電気通信設備、無線電気通信設備、ネットワーク設備、情報設備、放送機械設備等の電気通信設備を設置する工事
・電気工事は「電気設備」の工事を行い、電気工事通信工事では「通信設備」の工事を行う
・電気通信工事施工管理技士は、LANケーブルの新設や電波障害の調査、基地局設置など、電話や携帯電話、インターネット等に関わる幅広い工事を行う
・電気工事施工管理技士が電車線工事や非常用電源設備工事などの電力の強い工事を扱う資格に対して、電気通信施工管理技士は、電話やインターネットなどの通信関係の比較的電力の弱い工事を扱う資格

尾西行政書士

当事務所では建設業許可の代行申請を行っています

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この記事を書いた人

平成28年開業。
大阪市中央区の行政書士事務所です。
建設業許可等の申請代行を中心に取り扱っております。

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