電気工事とは工事の定義や具体例、専任技術者の要件などについて

建設業許可業種には「電気工事」という工事がありますが、どのような工事になるのでしょうか?

院古部長

うちの会社でも電気工事を行っているのだが、電気を扱う工事はすべて電気工事という扱いになるのかね?

尾西行政書士

「電気工事」の他にも「電気通信工事」があるので、電気を扱う工事がすべて電気工事というわけではないですね

院古部長

ほう、そうなのか、ではそのあたりについて、詳しく教えてくれたまえよ、尾西先生

尾西行政書士

わかりました、今回は電気工事について解説します

目次

電気工事の定義や工事の区分の考え方について

まずは電気工事の定義についてみていきたいと思います。

<電気工事の定義>
電気工事とは、発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備等を設置する工事のことを指す

※500万円未満の工事を行う場合、電気工事の許可は不要でも電気工事業者登録が義務付けられています
※建設業許可を取得した場合は、届出によって、「みなし登録電気工事業者」となることが義務付けられています。

工事区分の考え方について
①屋根一体型の太陽光パネル設置工事は『屋根工事』に該当する。太陽光発電設備の設置工事は『電気工事』に該当し、太陽光発電パネルを屋根に設置する場合は、屋根等の止水処理を行う工事が含まれる。
②『機械器具設置工事』には広くすべての機械器具類の設置に関する工事が含まれるため、機械器具の種類によっては『電気工事』、『管工事』、『電気通信工事』、『消防施設工事』等と重複するものもあるが、これらについては原則として『電気工事』等それぞれの専門の工事の方に区分するものとし、これらいずれにも該当しない機械器具あるいは複合的な機械器具の設置が『機械器具設置工事』に該当する。

院古部長

なるほど、屋根一体型のパネル設置工事は電気工事ではなく、屋根工事に該当するわけだね

尾西行政書士

一見電気工事に見えても、他の工事に該当するケースもあるわけですね

電気工事の具体例

この段落では電気工事の具体例についてみていきます。

電気工事の具体例
・発電設備工事
・送配電線工事
・引込線工事
・変電設備工事
・構内電気設備工事
・照明設備工事
・電車線工事
・信号設備工事
・ネオン装置工事 など

院古部長

発電設備や送配電線など、電気に関わる工事が電気工事業なのだね、ところで「電気通信工事」とはどう違うのだろうか?

尾西行政書士

次の段落で説明しますね

電気工事業と電気通信工事業の違い

電気工事業と電気通信工事業の違いについてですが、電気工事は「電気設備」の工事を行い、電気工事通信工事では「通信設備」の工事を行います。

また電力の大きさが違うというのも特徴になります。一般的には、電気工事業は強い電気を扱う工事に対して、電気通信工事業は弱い電気を扱う工事であると言われます。

<電気工事業>
内容:電気設備の工事を行う。
具体例:発電設備工事、電車線工事、証明設備工事、信号設備工事など
電力の大きさ:強い

<電気通信工事業>
内容:通信設備の工事を行う。
具体例:LAN工事、電話工事、放送設備工事、インターホン工事など
電力の大きさ:弱い

院古部長

なるほど、電気工事のほうが扱う電力も強いものが多いのだね

尾西行政書士

そのように覚えておくといいと思います

電気工事業者登録について

電気工事業を行う場合、「電気工事業の業務の適正化に関する法律」に基づき、登録または届出が必要になります。これは、「建設業許可の電気工事」を取得済であってもなくても必要です。

電気工事業を行うには「電気工事業者登録」が必要
建設業許可を取得していない場合 → 登録電気工事業者の登録が必要
建設業許可を取得済の場合 → みなし登録の届出が必要

尚、電気工事業者登録の変更届については、建設業許可と違い、決算の届出や役員の就退任届、資本金変更届などは提出の必要はありません。ただし法人代表者の変更、営業所所在地の変更、建設業許可の更新などがあった場合は、電気工事業登録でも変更の届出が必要になります。     

院古部長

電気工事をするには、建設業許可さえあればいいと思っていたが、「電気工事業者登録」が別に必要になるのだね

尾西行政書士

自社で電気工事を行う場合は、電気工事業者登録は必要です、意外と知られていない方も多いので注意が必要ですね

電気工事の専任技術者や配置技術者(主任技術者、監理技術者)の要件

この段落では電気工事の専任技術者や配置技術者の要件をみていきたいと思います。

一般許可の電気工事の専任技術者及び、主任技術者の要件>
一級電気工事施工管理技士
・二級電気工事施工管理技士
・技術士法の建設・総合技術監理(建設)
・技術士法の建設「鋼構造及びコンクリート」
・総合技術監理(建設「鋼構造及びコンクリート」)
・技術士法の電気電子・総合技術監理(電気電子)
・電気工事士法の第一種電気工事士
・電気工事士法の第二種電気工事士(3年以上の実務経験が必要)
・電気事業法の電気主任技術者(5年以上の実務経験が必要)
・建築設備士(1年以上の実務経験が必要)
・1級計装士(1年以上の実務経験が必要)

※電気工事業については、無資格者の実務経験者では専任技術者に認められません。

<特定許可の電気工事の専任技術者及び、監理技術者の要件>
・一級電気工事施工管理技士
・技術士法の建設・総合技術監理(建設)
・技術士法の建設「鋼構造及びコンクリート」
・総合技術監理(建設「鋼構造及びコンクリート」)
・技術士法の電気電子・総合技術監理(電気電子)
※特定許可の電気工事については、実務経験が必要な資格では専任技術者や監理技術者にはなれません

院古部長

電気工事では、無資格者の実務経験者は専任技術者にはなれないのだね

尾西行政書士

その通りです

まとめ

<まとめ>
・電気工事とは、発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備等を設置する工事のことを指す
・500万円未満の工事を行う場合、電気工事の許可は不要でも電気工事業者登録が義務付けられている
・電気工事業と電気通信工事業の違いは、電気工事は「電気設備」の工事を行い、電気工事通信工事では「通信設備」の工事を行う
・一般的には、電気工事業は強い電気を扱う工事に対して、電気通信工事業は弱い電気を扱う工事であると言われる

尾西行政書士

当事務所では建設業許可申請や経営事項審査申請を行っています

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この記事を書いた人

平成28年開業。
大阪市中央区の行政書士事務所です。
建設業許可等の申請代行を中心に取り扱っております。

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